
米国・イスラエルとイランの戦争が長期化する兆しを見せる中、ウクライナと4年以上にわたり戦争を続けているロシアが「利益を得る側」として浮上している。
イランの報復攻撃により、世界の原油輸出のおよそ20%が通過するホルムズ海峡が封鎖される可能性が指摘され、原油価格が急騰している。
世界の石油供給不足を緩和するため、米国がインドに対し30日間の期間限定でロシア産原油の輸入を認めるなど、ロシアに対する石油禁輸措置も一部緩和された。
また、イランが発射するミサイルやドローンを迎撃するための防空網の構築で大量のパトリオットミサイルが必要になるとみられ、ウクライナ防衛に必要なミサイルの供給が減少する可能性も指摘されている。こうした状況は、戦況面でもロシアに有利に働くとの見方が出ている。
ホルムズ海峡の封鎖に加え、湾岸諸国がイランの攻撃を受けて減産に入るなど供給不安が高まる中、米国はインドに対しロシア産原油の購入を30日間に限り認めた。
米財務省は5日、インド企業がロシア産原油や石油製品を購入できるようにするライセンスを発行した。
米財務省の外国資産管理局(OFAC)は12日「ロシア産原油または石油製品の販売、引き渡し、荷揚げに関連するすべての取引を認める」と発表した。適用期間は来月11日までの30日間だという。
米国が原油価格の安定を名目に、対ロシア制裁の核心である石油取引を一時的に容認したことで、ウクライナ戦争の終結圧力が弱まったとの分析も出ている。
ドナルド・トランプ米大統領は9日「現在一部の国に制裁を科しているが、ホルムズ海峡が正常化するまでその制裁を解除する」と述べた。
こうした制裁緩和などの影響で、米国・イスラエルとイランの戦争期間中、ロシアの化石燃料輸出は約14%増加したと集計されている。
フィンランドのシンクタンク、エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)は先月28日、イラン戦争開始以降の関連収益が約70億ドル(約1兆1,000億円)に迫り、1日当たりの平均収益は2月と比べて14%増加したと明らかにした。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は12日、ロシアの石油輸出による追加税収が1日あたり約1億5,000万ドル(約239億5,000万円)と推定されると報じた。
また、戦争開始から最初の12日間で、ロシアが石油輸出に課す税金による追加収入は13億ドル(約2,076億円)から19億ドル(約3,035億円)と見積もられている。
これはホルムズ海峡封鎖によりインドや中国で需要が急増し、原油価格も大幅に上昇したためとされる。
さらに、イランが米国とイスラエルの空爆への対抗措置として親米の湾岸諸国を攻撃したことで、ウクライナに供給される米国製防空ミサイルが不足する可能性も指摘されている。
ウクライナはこれまで、米国の対ウクライナ支援制度である「ウクライナ優先要求リスト(PURL)」を通じてパトリオット(PAC3)などの装備を供与されてきた。
しかし、イラン戦争によって米国の兵器消費が増えれば、ウクライナへの支援が縮小する可能性があるとの見方が出ている。
ウクライナは米国や湾岸諸国に対し、ドローンや関連要員の支援などと引き換えにパトリオットミサイルの追加供与を求めているという。
















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