
イランによるホルムズ海峡封鎖に伴う「オイルショック」が、中東産原油への依存度が高いアジア地域を直撃している。東南アジアではガソリンスタンドの閉鎖が相次いでいるほか、昨年5月に東アジアで初めて「非核国家」を宣言した台湾は、原子力発電所の再稼働を決めた。
原油供給の停滞を受け、ラオスでは全国のガソリンスタンドの約40%が営業停止に追い込まれている。政府は学校の授業日数を週3日に減らし、公務員には在宅勤務を推奨している。22日、現地紙ラオティアン・タイムズは、国内にある2,500以上のガソリンスタンドのうち1,000か所以上が閉鎖され、燃料を求める数百台のバイクが長い列をつくっていると報じた。カンボジアでも同様に、全国のガソリンスタンドのおよそ3分の1が営業を停止している。
タイ紙バンコック・ポストは同日、3月末の収穫期を迎えた農家が、稲刈り機や運搬用トラックの燃料不足により深刻な打撃を受けていると報じた。ガソリンスタンドでは買い占めの動きが広がっており、原油価格の上昇を背景に生活必需品の価格も大幅に上昇している。
さらにタイでは、多くの葬儀が寺院での火葬によって行われるが、軽油の枯渇により火葬が中止される事態も起きている。遠く中東での戦闘の影響が市民生活の根幹にまで及んでいる形だ。ワット・サマーン・ラッタナーラーム寺院の住職は「50年生きてきて、こんな事態は初めてだ」と語った。
ミャンマーでも影響は一段と深刻化している。政府は今月初めから、車両をナンバー別に隔日で運行する措置を導入した。また、原油不足によりガソリン価格が約2倍に高騰したことを受け、燃料の配給制を実施している。
一方、台湾は「非核家園(原発ゼロ政策)」政策を事実上見直し、新北市と屏東県にある原子力発電所2か所の再稼働を決めた。台湾の頼清徳(らい・せいとく)総統は、昨年5月に第3原発2号機を停止した時点で「非核家園」の目標は達成されたとの認識を示した上で、新たな情勢に対応するため原発再稼働が必要だと説明した。
その上で、法定の石油備蓄は約90日分に対し、現在は100日分以上を確保しているとして「現時点で大きな問題はない」と強調した。ただし、中東情勢の先行きは不透明だとして、万全の備えを進める必要があるとの認識を示した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、原油価格の急騰局面の初期には価格統制で対応していた各国が、最終的には需要抑制へと政策を転換しつつあると報じた。国際エネルギー機関(IEA)は「供給拡大だけでは今回の影響には対応できない」と指摘し、在宅勤務の推進や公共交通機関の利用拡大など、需要を抑えるための対策が不可欠だと強調した。
















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