トランプ大統領の対イラン発信、市場の節目狙いに疑念

米国のドナルド・トランプ大統領が、イラン戦争を巡って株式市場に影響を与えかねない重大政策を、市場の取引時間を意識して発表しているのではないかとの疑惑が浮上している。
CNNは現地時間23日、トランプ大統領が最近イランに突き付けた「48時間の最後通告」を延期したことを受け、戦時下の意思決定を何が左右しているのかとの疑問が強まっていると報じた。
トランプ大統領が「ホルムズ海峡を48時間以内に開放しなければ、イランの発電所を爆撃する」と表明したのは、市場が閉まっていた21日土曜の夕方だった。その後、23日月曜の取引開始直前にはイランと交渉中だと述べ、爆撃の時期を5日先送りすると明らかにした。
これに対し、イラン側は米国と交渉した事実はないと否定した。CNNは、イラン当局者の発言をうのみにすべきだという意味ではないとしながらも、米国とイランの説明が食い違っている点は、トランプ大統領が一歩引いた背景に別の動機があった可能性を示していると分析した。発電所への攻撃を強行すれば、世界経済への打撃がさらに深まるとの懸念も、その要因に含まれていたとみられる。
同様のパターンは以前にもみられた。トランプ大統領の「相互関税」導入に関する記者会見は昨年4月2日午後4時に予定されていたが、実際に詳細を公表したのは市場の取引終了直後の午後4時30分だった。
その日から1週間にわたり株価指数が急落すると、トランプ大統領は4月9日、「トゥルース・ソーシャル」に「今こそ絶好の買い場だ」と投稿した。さらに同日午後、中国を除く大半の国に対する関税措置を90日間猶予すると発表し、株価は急反発した。
このほか、イラン核施設への爆撃に関する発表があった昨年6月21日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領拘束作戦を打ち出した今年1月3日、イラン攻撃開始を公表した今年2月28日も、いずれも金曜の取引終了後か土曜に発表されていた。
トランプ大統領がこの日、「48時間の最後通告」の延期を表明する約15分前、国際原油先物市場では売り注文が急増したとの報道も出た。フィナンシャル・タイムズによると、この日午前6時49分から50分の間に、ブレント原油とWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油の先物契約がおよそ6,200件成立した。FTの試算では、これらの取引の名目価値は約5億8,000万ドル(約921億8,000万円)に上る。
延期発表の後、ブレント原油の6月物先物価格は11%急落した。米証券会社の市場ストラテジストは、トランプ大統領の投稿の15分前に、これほど積極的な先物売りを仕掛けたのが誰なのか疑問だと指摘した。
政権の機密情報を入手した内部者が、その情報を賭けに利用して不当な利益を得ようとしたのではないかとの見方も出ている。ガーディアンによると、予測市場サイトのポリマーケットでは、「米国とイランの停戦時期」を巡る賭けで、8つのアカウントが「3月31日」に合計7万ドル(約1,112万6,000円)を投じた。
これらのアカウントはいずれも21日前後に新たに作成されたという。実際にその日に停戦が成立すれば、合計で82万ドル(約1億3,000万円)の利益を得る計算になる。













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