
この1カ月にわたり中東全域を激しい戦火に巻き込んできた米国とイランが、交渉とさらなる拡大の岐路で、それぞれの形で出口を模索している。当初掲げた政権交代などの戦争目的が揺らぐドナルド・トランプ米政権と、体制維持に死活をかけるイランが対話の糸口を探る中、イスラエルは今週末にも停戦が発表される可能性に神経をとがらせている。
開戦から1カ月を迎えたトランプ大統領の表情には疲労感ものぞく。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は25日(現地時間)、「トランプ氏は最近、側近らにイランとの戦争を早期に終わらせたいと語った」としたうえで、「今後数週間以内に戦争を終結させることを望んでいる」と伝えた。さらに「トランプ氏はイランへの地上軍投入の選択肢も持っているが、自ら掲げる早期終戦の目標が崩れる可能性があるため慎重になっている」とし、「トランプ氏にとって戦争を終わらせる容易な選択肢はなく、イランとの交渉もなお初期段階にとどまっている」と強調した。
米第31海兵遠征部隊の約2500人が早ければ27日にも中東海域に到着する見込みとなる中、トランプ政権はパキスタンなどの仲介国を通じて「15項目の和平案」をイラン側に伝える一方、強硬策と対話の両面を使い分けている。しかし、イランの姿勢は強硬で、交渉妥結はおろか、協議そのものが成立するかどうかも見通せない。アッバス・アラグチ外相は同日、イラン国営のIRIB放送に対し、「米国が提示した和平案をイラン指導部が検討している」としつつ、「仲介国を通じてメッセージは受け取っているが、これは交渉を意味するものではない」と述べた。
米政府高官はWSJに対し、「トランプ氏が側近に示した複数の案の一つは、戦争終結で合意し、イラン産原油の一部を確保することだ」とし、「具体的な計画は策定されていない」と語った。そうした状況から、トランプ氏がこれまでの戦果を強調し、一方的に「戦争勝利」を宣言して手を引く可能性も取り沙汰されている。トランプ氏は前日、政権を交代させたも同然で、戦争ではすでに勝利したと強調した。
一方、イラン政府の内情も複雑だ。膨大な人的被害を受けながらも、米国とイスラエルに屈する形で戦争を終えれば、神政体制の存立を揺るがしかねないほどの国内反発に直面する可能性がある。英紙ガーディアンは「イランの死者数は公式には1500人だが、実際には3000人を超える可能性がある」と推計した。こうした中、イランがホルムズ海峡での影響力維持を一つの選択肢として模索するとの見方が出ている。
イラン情勢に詳しいジョンズ・ホプキンズ大のバリ・ナスル教授はフィナンシャル・タイムズに対し、「イランが海峡で一定水準の統制力を維持できるなら、トランプ氏が求めた高濃縮ウラン放棄に応じる可能性がある」とし、「イラン政府は海峡封鎖能力を抑止力と見ており、通航料徴収による収益確保の案も議論している」と述べた。
ブルームバーグ通信によると、イランのマジュリス(議会)はすでに海峡通航料徴収に向けた法案の草案をまとめており、来週にも最終案を公表する予定だという。イランは最近、海峡を通過する船舶1回当たり200万ドル(約3億2,000万円)を請求しているとされる。
イランとの長期戦も辞さない構えのイスラエルは、トランプ氏の突発的な動きに注目している。イスラエルのチャンネル12は、「米国とイランが合意していない段階で、トランプ氏が停戦を先に宣言する可能性をイスラエル政府が懸念している」とし、「安全保障当局者らは、トランプ氏が早ければ28日にも停戦を発表する可能性を前提に動いている」と伝えた。













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