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円投げ売りに“戦争宣言”した日本…米国と為替防衛の連合戦線を構築へ

望月博樹 アクセス  

出典:AP通信
出典:AP通信

米国のスコット・ベッセント財務長官が来週訪日し、円相場の急落を食い止めるための日米共同対応を協議する見通しだ。ドル円相場が一時160円を超えるまでに円安が進むなか、当局は少なくとも5兆円規模とみられる市場介入に踏み切っており、米国もこれに歩調を合わせる構えを示している。5月14日から15日に予定される米中首脳会談を前に、日米間で立場を先にすり合わせる狙いもある。

日本経済新聞は7日、政府関係者の話として、ベッセント長官が11日から3日間の日程で訪日すると報じた。滞在中は高市早苗首相、片山さつき財務相、植田和男日本銀行総裁らと会談する予定で、協議では円安対応に加え、レアアースを含む重要鉱物、エネルギーをはじめとする経済安全保障上の懸案、イラン情勢なども議題に上るとみられる。

最大の焦点は円安への対応となりそうだ。当局が足元で、円安をあおる投機的な売りに対して事実上の総力戦を展開しているためである。4月29日のドル円終値は160.41円まで上昇し、翌30日には一時160.70円まで値を伸ばして心理的節目の160円を上抜けた。これを受け、片山財務相は断固たる措置を取る時期が近づいているとして、強い警戒感を示した。

その発言直後、30日のドル円終値は156.59円となり、前日より2%超下落した。市場では、通貨当局が5兆円規模の円買い介入に動いたとの見方が広がっている。当局による為替介入は2024年7月以来、約1年9か月ぶりとなる。5月1日から6日までの連休中にも少なくとも3回、急速な円高進行が起きたとされ、6日には一時155円台まで持ち直した。

当局が介入に踏み切るほど、円安圧力は依然として強い。日銀は昨年12月に政策金利を0.75%へ引き上げ、約30年ぶりの高水準としたにもかかわらず、ドル円はその後も150円台後半で推移した。利上げ後も金利水準はなお低く、円買いを本格的に促すには力不足だったと受け止められている。物価上昇率を織り込んだ実質金利が依然としてマイナス圏にとどまっていることも重荷になっている。

加えて、イランを巡る戦争の余波を背景に、安全資産としての円の存在感が弱まったことも無視できない。かつてのように世界的な危機局面で円買いが進む構図は崩れつつあり、市場では円の地位低下を指摘する声も出ている。円安が長引けば、通貨政策そのものへの不信にもつながりかねない。

円安の進行は米国にとっても望ましい展開ではない。利上げ後も円安が続けば、米国債を保有してきた国内投資家が債券を売却し、資金を国内へ戻す可能性があるからだ。ヘッジファンドがそうした流れを先回りし、米国債を先に売る動きに出るとの見方もある。利上げと円安が同時に進めば、投機的な取引が強まり、米国債の売りを誘発する恐れがある。

このため米国は、為替政策を巡る意思疎通を強めてきた。米当局が円相場の安定を後押しする姿勢をにじませたこともあり、今回のベッセント長官訪日は、円売りを主導してきた機関投資家に対し、米国も相場を注視しているとのメッセージになるとみられている。首脳会談を前に、日米が市場へのけん制を同時に打ち出す形になる可能性もある。

もっとも、今回の訪日には協調だけでなく、当局の対応をけん制する意味合いもにじむ。政府が為替介入の原資を確保するため、保有する米国債を大量に売却すれば、米国債価格の下落と金利上昇につながりかねないためだ。為替防衛が長期化した場合、米国市場への影響も避けて通れない。米側としては連携を保ちながらも、介入余地を慎重に見極めたい考えとみられる。

こうした事情から、米国は利上げこそが円安是正のより根本的な処方箋になり得るとして、圧力を強めている。日銀も追加利上げの可能性を残しているが、高市政権の判断は単純ではない。巨額の政府債務を抱えたまま積極財政を進めており、金利を引き上げれば国債費の増加を通じて財政負担が一段と重くなるためである。円安阻止と財政負担の抑制をどう両立させるかが、今後の政権運営の大きな課題になる。

望月博樹
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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