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ウクライナのドローン戦争に見えた“中国依存”の限界…台湾部品に託す新たな供給網の行方

竹内智子 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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ロシアの侵攻に対抗してきたウクライナが、ドローン(無人機)部品の供給網再編に乗り出している。安価な中国製部品は依然として不可欠とされるものの、中国によるロシア支援疑惑や今後の輸出規制強化への懸念が高まる中、台湾製の半導体や電子部品、バッテリーなどを代替調達先として模索している。

英紙ガーディアンは5日(現地時間)、ウクライナが軍の需要拡大に対応するためドローン生産を増強する一方、中国製部品への依存脱却も新たな課題として進めていると報じた。

4年に及ぶ戦争は、現代戦の様相を大きく変えた。ロシアとウクライナの双方は、戦場監視や防空網の回避、敵後方への攻撃などに無人航空機(UAV)を大量投入している。低コストのドローンが戦争の中核兵器として台頭する中、ウクライナは国内の産業基盤を戦時需要に合わせて再編しつつある。

ウクライナが中国製部品への警戒を強める背景には、単なる調達先の多様化だけではない事情がある。ウクライナ側は、中国がロシアに軍事関連物資を供給している可能性があると疑っており、中国による産業供給網の支配が安全保障上のリスクにつながりかねないとみている。このため、ウクライナや西側諸国は、代替供給先として台湾に注目している。

台湾は、半導体や精密電子部品、航法装置、バッテリー分野で強みを持つ。ウクライナのシンクタンク「スネーク・アイランド研究所」は、こうした技術力が台湾をウクライナのドローン製造業者にとって有力な代替供給先にしていると分析している。

実際、台湾から欧州向けのドローン輸出は急増している。科学技術・民主・社会研究所(DSET)によると、台湾の欧州向けドローン輸出は2025年に40倍以上増加した。さらに、第4四半期(2026年1~3月)の輸出額は、すでに前年通年の実績を上回ったという。中でもポーランドとチェコが主要市場として浮上しており、輸出されたドローンの多くは最終的にウクライナへ再輸出されるとみられている。

ウクライナの主要ドローンメーカー「ヴィリイ」の国際協力責任者、ボフダン・ディオルディツァ氏は、台湾製部品の採用はすでに業界内で珍しいことではないと述べた。同氏は、中国が輸出規制をさらに強化する可能性への懸念が、代替供給先を模索する背景にあると説明した。その上で、半導体や電子製品の統合能力を持つ台湾について、「非常に価値のあるパートナーだ」と評価した。

ただ、ウクライナにとって最優先課題は依然として国内生産の拡大にある。戦争の長期化を受け、ウクライナは中国製完成品ドローンの輸入に依存する体制から、国内組立を中心とした生産体制への転換を進めている。ウクライナ国防省によると、昨年時点で国内のドローン部品メーカーは100社を超えているという。

台湾も同様の課題を抱えている。台湾は2027年までに、いわゆる「脱中国製」のドローン産業を構築する方針を掲げ、2030年までに必要となるレアアース磁石の3分の1を自国生産で賄う目標を打ち出している。ただ、こうした転換はなお途上にある。ウクライナの年間ドローン需要が数百万台規模に達する一方、台湾の生産能力は依然として数十万台規模にとどまっている。

一方で、価格の高さも障壁となっている。台湾のドローンメーカー「サンダータイガー」のジン・スー総括マネージャーは、自社のドローンシステムをウクライナに送り現地試験を実施したものの、実際の購入には結び付かなかったと明らかにした。同氏は、「ウクライナ側は試験結果に満足していたが、台湾製品は依然として価格が高すぎる」と説明した。

また、外交面の制約も残る。ウクライナは台湾を国家として正式承認しておらず、中国とも慎重な関係を維持している。このため、台湾とウクライナの協力は、政府間の公式協議ではなく、ポーランドやチェコ、米国などを経由した企業間取引の形で進められていると、ガーディアンは伝えた。

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