「パトリオット不足と言いながら…」トランプ米政権、湾岸3カ国に4,250発のパトリオット販売を承認

ドナルド・トランプ米大統領率いる米政権は7日(現地時間)、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンに対し、総額170億ドル(約2兆6,600億円)規模となるパトリオット迎撃ミサイル数千発と関連支援サービスの販売を承認した。
イランとの戦争の過程で、米国と湾岸諸国のミサイル在庫が急減している状況下でも、大規模輸出を強行した形だ。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、米国務省および議会関係者の話として、国務省が先週、クウェート、UAE、バーレーン向け武器販売計画を議会に正式通知したと報じた。内訳は、クウェート向けが93億ドル(約1兆4,600億円)、UAE向けが62億5,000万ドル(約9,800億円)、バーレーン向けが16億2,500万ドル(約2,500億円)に上るという。
今回の販売は、既存契約を拡充する形で進められた。バーレーンは2019年、クウェートとUAEは2024年に承認された契約を基に、追加分を確保することになる。
国務省が議会に提出した書簡には、各国が発注した2種類のパトリオット迎撃ミサイルが記載されていた。議会関係者によると、総数は約4,250発規模に達するという。パトリオットミサイル1発の価格は、約400万ドル(約6億2,700万円)とされている。
さらに、カタールが発注した約40億ドル(約6,260億円)規模、約1,000発のパトリオット迎撃ミサイルを含めると、湾岸地域全体の新規発注量は5,000発を超えることになる。
ただ、今回の販売は米国内の懸念を抱えたまま承認された。米国防総省の一部当局者は、イランとの戦争以降、米国のミサイル在庫が急激に減少し、世界各地での紛争対応能力が弱まっていると警告してきた。
米国防総省内部の推計によると、米国は今年2月28日に始まったイランとの戦争以降、1,300発以上のパトリオット迎撃ミサイルを使用した。湾岸諸国も、イランによるミサイル・ドローン攻撃を防ぐため、約600発を追加発射したという。
結果として、米国と湾岸諸国は戦争期間中に1,900発以上のパトリオットミサイルを消費した計算になる。現在、米企業による年間生産量は約600発にとどまっており、事実上、約3年分の生産量が一度の戦争で使われたことになる。
トランプ政権は、生産量を年間2,000発規模まで拡大する計画を進めているが、実際の増産までには相当な時間がかかる見通しだ。
地対空ミサイルシステム「パトリオット」は、防衛企業RTX傘下のレイセオンが製造しており、迎撃ミサイルはレイセオンとロッキード・マーティンが共同生産している。ウクライナも、ロシアとの戦争の過程でパトリオットシステムの追加支援を継続的に要請してきた。
このため、ワシントンでは、米国がアジアや欧州での有事への備えまで犠牲にしながら、中東に軍需物資を集中させているとの懸念が強まっている。特に、中国を米国最大の安全保障上の脅威と位置づけながらも、実際の弾薬や防空資産は中東に振り向けられているとの批判も出ている。
また、政権による「議会軽視」への批判も拡大している。
トランプ政権は最近、中東向け武器販売を進める過程で緊急権限を活用し、議会の通常承認手続きを繰り返し省略している。国務省は先週公表した86億4,000万ドル(約1兆3,500億円)規模の武器販売でも、中東の非常事態を理由に緊急条項を発動した。
一方、今回の170億ドル(約2兆6,600億円)規模のパトリオット販売は、別途の報道資料も出されないまま非公開で処理されていたが、NYTの取材を通じて明らかになった。
下院外交委員会の民主党筆頭委員を務めるグレゴリー・ミークス議員は、「議会が武器販売問題から繰り返し排除されていることが、この政権の特徴になっている」としたうえで、「250億ドル(約3兆9,200億円)を超える武器移転のために再び非常権限を発動したことは、政権が戦争を適切に管理できていない証拠だ」と批判した。














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