
中国が北朝鮮の核開発問題について事実上沈黙を続けてきた背景には、「厄介者ではあるが、手放せない存在であり、戦略的な利用価値もある」という判断が作用していると、米国の専門家らは分析した。また、北朝鮮への説得に失敗し、かえって面子を失うことを中国側が懸念していた可能性も指摘された。
米中首脳会談でも北朝鮮問題は後景か
一部では、ドナルド・トランプ米大統領が14日に北京で開かれる米中首脳会談で、習近平中国国家主席に対し、中断している金正恩総書記との対話再開への協力を求めるとの観測も出ている。ただ、北朝鮮問題がまったく言及されない、あるいは議題に含まれても比重は限定的になるとの見方が専門家の間では優勢だ。
トランプ大統領の訪中に合わせて13日、米国ワシントンのシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が主催したカンファレンスでは、中国が北朝鮮核問題を解決しようとする米国など国際社会の努力に参加することを嫌がってきた理由について米国の専門家らが議論を展開した。
専門家らによると、中国も北朝鮮の核開発を脅威と認識している。米国務省で北朝鮮問題を担当した経験を持つブリュッセル自由大学安全保障・外交・戦略センターのジョン・パク客員研究員は、「中国側の外交関係者から、中国が北朝鮮の追加核実験に反対しているとの意思が伝えられていると聞いた」と語った。また、北朝鮮の核開発は、韓国や日本など米国の同盟国による核武装論を刺激しかねない。ブルッキングス研究所のパトリシア・キム上級研究員は、「中国は、核が米国の同盟ネットワークに連鎖的に拡散する状況を望んでいない」と指摘した。
一方で、中国にとって北朝鮮を過度に圧迫することも容易ではない。強く締め付ければ、北朝鮮が中国の影響圏から離脱する可能性があるためだ。それでも習主席は、2012年の政権発足から約6年間、金総書記との距離を置いていた。韓国の朴槿恵(パク・クネ)元大統領や文在寅(ムン・ジェイン)前元大統領ら韓国側首脳とは計6回会談した一方、金総書記とは一度も会わなかった。また、北朝鮮による核・ミサイル実験が相次いだ2016~2017年には、中国も強力な制裁措置に加わり、米国の「最大限の圧力」政策を事実上後押しした。
しかし2018年以降、習主席の姿勢は変化した。背景には、第1次トランプ政権による大胆な対北朝鮮外交があったとされる。キム研究員は、「北朝鮮の将来を巡る議論から中国が排除されることを、習主席が懸念したためだ」と分析した。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻以降、北朝鮮とロシアの接近が進む中、中国は対北朝鮮外交を一段と強化している。キム研究員は、「中国は北朝鮮がロシアの影響圏にさらに深く入り込むことも望んでいない」と述べた。
「動かせなければ面子を失う」との懸念も
北朝鮮問題を放置しているように見える背景には、中国側の現実的な限界もあるとの見方が出ている。
現在CSISの上級顧問を務めるシド・サイラー元米国家情報会議(NIC)北朝鮮担当官は、「中国は、自国の影響力だけで北朝鮮を完全にコントロールできるとは考えていないようだ」と述べた。そのうえで、「努力しても北朝鮮を交渉のテーブルに戻せなければ、中国は面子を失うことになる」と指摘した。
それでも、北朝鮮に対して最も大きな影響力を持つ国が依然として中国であることに変わりはない。成均館大学のチョ・ソンミン教授は、「韓国と米国が金総書記の本音を把握するには、中国に依存せざるを得ない」と説明し、「韓米両国が積極的に動けば動くほど、中国にとって有利になるのは、この情報の非対称性があるためだ」と述べた。さらに、「中国は、米朝対話の仲介を理由に在韓米軍の縮小を求める可能性もある」との見方も示した。
10年以内に限定的核攻撃の可能性
北朝鮮の核脅威を巡っては、米国の「核の傘(拡大抑止)」だけでは不十分だとの警告も出ている。アトランティック・カウンシルのマーカス・ガラウスカス インド太平洋安全保障担当局長は13日の討論会で、「北朝鮮が今後10年以内に韓国に対して限定的な核攻撃を行う可能性は十分にある」と警告した。また、実際に挑発が起きた場合、全面核戦争への発展を懸念するあまり、米韓両国が核報復をためらう可能性もあると指摘した。













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