
米国がイランと終戦交渉を行う最中にもイラン南部を攻撃するなど武力を行使したが、イランは衝突を避け交渉を続けている。
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米国が自衛権行使の名目でイラン南部を攻撃し、イラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)の隊員が数名死亡したという。これに対し、イランは米国のF-35戦闘機を撃退し、米軍のドローン(無人機)を撃墜したと主張しながら強硬な対応を予告したが、内部的にはIRGC隊員の死亡事実の発表を意図的に遅らせた。
これはイラン外務省が「米国の攻撃は休戦違反であり、いかなる侵略行為も必ず相応の対応を受ける」と強硬なメッセージを公に出したことと温度差がある。イランが表向きは報復を予告しながらも内部的には外交的妥結を模索し交渉を続ける背景には、国民の大規模な反政府デモに対する懸念があるとの分析が出ている。
イラン政府は2月28日、米国とイスラエルの対イラン軍事作戦により戦争が始まった後、イラン全国でインターネット通信を遮断した。イラン国内の混乱した雰囲気や被害状況が外部に知られたり、逆に国際社会のイランに対する評価がイラン国内に流れ込んだりするのを防ぐためだ。
しかし25日、イランのマスウード・ペゼシュキヤーン大統領は87日間続いていたイラン全国のインターネット遮断を一部解除するよう指示した。これに関連してニューヨーク・タイムズ(NYT)は「長期封鎖によって蓄積した経済的打撃と民心の離反を意識した措置」と分析した。
イランが米国との交渉で最も重点的に要求している事項は、凍結資産の解除と原油輸出の再開だ。現在、イランは、米国がイランの凍結資産を解除すればホルムズ海峡を開放するとの立場を堅持している。一方、米国は、イランが先に同海峡を開放し、核物質を放棄すれば、凍結資産の解除に応じるとの姿勢を示している。
イランが凍結資産の解除に執着する背景も民心と無関係ではない。2025年末から2026年初めにかけてイランでは経済難に怒った国民の大規模な反政府デモが行われた。政府がデモ隊を強硬に鎮圧する過程で数千人が死亡したという主張もあった。
すでに長年の経済難に疲れ切っているイラン国民が再び反政府デモに出る場合、イラン当局は米国・イスラエルと反政府デモ隊を同時に相手にしなければならない可能性がある。さらに、当局の公権力と戦力が戦争に傾いている状況を考慮すれば、かえって以前のようなデモ隊の鎮圧が不可能になるとの見通しも出ている。
WSJは「イランは現在、凍結資産の解除と原油輸出の再開を通じて経済的な活路を見出そうとしている」とし、「イラン国内の穏健改革派は、経済悪化が再び全国規模の反政府デモへと発展する前に合意を引き出さなければならないとの圧力にさらされている」と伝えた。
ただし、イランの強硬派は現在交渉を主導する交渉派の外交路線を批判し、米国との交渉に否定的な態度を続けている。IRGC航空宇宙軍のセイイェド・マジッド・ムーサヴィ司令官は「敵との交渉は純粋な損失だ」と主張し、外交路線を批判した。WSJは「仲介国もイランの強硬勢力が海上の妨害行為などを通じて交渉を妨害する可能性を懸念している」としつつも、「ただし、イラン内部の最終的な意思決定構造は依然として不透明だ」と指摘した。
















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