トランプ米政権がキューバへの圧力を強める中、グローバル企業のキューバ撤退が相次いでいる。キューバの主要な外貨収入源である観光産業を支えてきた企業も事業縮小や撤退を表明しており、同国経済への打撃が一段と深まるとの懸念が広がっている。

7日(現地時間)、主要海外メディアによると、キューバ中央銀行は声明で「国内でVisa・Mastercardの決済処理を行っていた外国金融機関が、2日付でフィンシメックス(Fincimex)との取引終了を通告してきた」と明らかにした。
これまでキューバ国内の国際クレジットカード決済は、軍系企業グループ「ガエサ(GAESA)」傘下の金融会社フィンシメックスを通じて処理されてきた。しかし、フィンシメックスが先月、米国の対キューバ制裁対象に追加されたことを受け、VisaとMastercardが同社との取引を停止したとみられている。
キューバ中央銀行も、「今回の決済サービスの中断は、トランプ大統領がキューバ国民への圧力強化を目的として発令した行政命令と直接関係している」と説明した。専門家らは、ガエサがキューバ経済の40~70%を支配しているとみている。
また、グローバルホテルチェーンによるキューバ事業の縮小も相次いでいる。スペインの大手ホテルチェーン、イベロスター・ホテルズ&リゾーツとメリア・ホテルズ・インターナショナルは、それぞれ12軒以上のホテルの運営権を返上すると発表した。カナダのホテル運営会社ロイヤルトン・ホテルズ&リゾーツも、キューバでの運営を中止している。
キューバの主要な外貨獲得源である観光産業は、米国による制裁強化を受けて急速に縮小している。2月には、米国による石油供給の遮断に伴う燃料不足を受け、キューバ当局が航空燃料の供給を停止したことで、複数の航空会社がキューバ路線の運航を取りやめた。キューバ国家統計局によると、今年1~4月に同国を訪れた外国人観光客は32万8,608人となり、前年同期比55.8%減少した。
観光業に加え、キューバ経済を支えてきたグローバル企業の撤退も加速している。米政治専門メディアのポリティコによると、先月にはフランスの海運大手CMA CGMとドイツのハパックロイドが、キューバ発着航路の運航を無期限で停止した。さらに最近では、カナダの鉱業会社シェリット・インターナショナルも現地従業員を本国へ帰還させるなど、撤退に向けた手続きを進めている。
シェリットは30年以上にわたり、キューバ東部のモア鉱山で毎年数万トン規模のニッケルとコバルトを採掘し、世界市場に供給してきた。キューバにおける最大級の外国投資企業の一つとして知られている。このため、シェリットの撤退はキューバ経済に深刻な影響を及ぼすとみられている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、「外国企業は長年にわたり、米国の禁輸措置が続く中でも、キューバの観光業や鉱業分野で足場を築くために事業上のリスクを負ってきた」と指摘した。その一方で、「経済危機が深刻化する中、ハバナへの圧力強化を進めるトランプ政権に直面し、企業側は得られる利益よりもリスクの方が大きいと判断している」と報じた。
外国企業の撤退が相次ぐ中、キューバ経済はさらに停滞が深まるとの見方が広がっている。キューバ出身で、アメリカン大学のリカルド・トーレス教授は、海外企業の撤退について「転換点だ」としたうえで、「すでに弱体化しているキューバ経済に大きな打撃を与える」と述べた。
また、マドリード自治大学でEU・中南米関係を研究するスサン・グラティウス研究員は、ポリティコに対し、「現在のキューバでは、事業継続によって得られる利益をリスクが上回っている」と語った。その上で、現状が続けば、深刻な財政危機に直面しているキューバが、さらに「事実上の孤立状態」に追い込まれる可能性があると警告した。















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