
中国が中台交流行事「海峡フォーラム」を機に、一部の台湾産農水産物の購入契約を締結したことを受け、台湾当局は「中国は安定的で信頼できる輸出市場ではない」と警戒感を示した。
15日、台湾中央通訊社によると、台湾農業部は前日発表した声明で、今回の契約締結自体を妨げる考えはないとしつつも、中国市場への依存を高めることには慎重であるべきだとの立場を示した。
農業部は「台湾はかつて中国市場への依存度が高かったが、中国は近年、科学的根拠を示さないまま台湾産農産物の輸入停止を繰り返してきた」と指摘した。その上で、「検疫に関する協議を拒み、輸入再開に政治的な条件を付してきた」と批判した。さらに、「台湾産農産物の輸出は、安定した需要が見込めるとともに、国際貿易ルールや科学的基準を尊重する多様な市場を基盤とすべきだ」と強調した。
13日に中国・福建省厦門で開かれた第18回海峡フォーラムに合わせ、中国企業は台湾企業や団体と農水産物の購入契約を締結した。契約対象にはアテモヤやポメロなどの果物のほか、茶やグルーパー(ハタ類)などが含まれた。中国側によると、契約額は5,000万元(約11億8,500万円)規模に上るという。
海峡フォーラムは中国側が主導する中台間の民間交流行事で、文化や経済、若者交流を前面に打ち出している。一方、台湾政府はこれを中国による統一戦線工作の一環と位置付け、警戒を強めている。
フォーラム開催を前に、台湾の民進党政権は中央・地方政府の公職者による関連行事への参加を禁止した。一方、今回のフォーラムには、親中派野党の国民党の張榮恭副主席らが出席した。
台湾農業部はまた、中国が2022年から導入している海外食品製造業者の事前登録制度を、事実上の非関税障壁として運用していると主張した。
農業部は、「中台間の農業検疫協力メカニズムに基づき、適格輸出業者のリストを提出したものの、中国側は正式な回答を行わず、一部業者のみを選別的に承認している」と批判した。「このような不確実性を考慮すると、中国を長期的に信頼できる海外市場と見るのは難しい」と強調した。
農業部は近年、市場の多角化政策を進めてきたと説明した。台湾産パイナップルはオーストラリアやニュージーランド市場への進出を果たしたほか、赤肉種のドラゴンフルーツや交雑種のグルーパーの日本向け輸出も実現したとしている。
実際、台湾の中国・香港向け生鮮果物輸出額は、2024年の3,049万ドル(約48億8,300万円)から2025年には1,462万ドル(約23億4,200万円)へと大幅に減少した。一方、日本向け輸出額は近年、3,000万ドル(約48億500万円)前後で推移しており、比較的安定した状況が続いていることが分かった。
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