英、ロシア「影の船団」を初拿捕 英仏海峡でタンカーを強制停止・捜査

英国のキア・スターマー首相は14日、ウクライナ侵攻を受けてロシアに科された石油輸出制裁を回避し、密かに原油取引を行っているとされる、いわゆるロシアの「シャドーフリート」に所属するタンカー1隻について、当局が捜査を進めていると明らかにした。
英国軍は同日、英仏海峡で問題のタンカー「スミルトス(Smirtos)」を強制的に停止させ、乗り込んで拿捕したという。
英国防省は、「英国がこのような任務を主導するのは今回が初めてだ」と説明した。
スミルトスはカメルーン船籍で、すでに欧州連合(EU)および米国の制裁対象に指定されている。
英国は、ロシアのシャドーフリートとして制裁対象リストに掲載された約600隻の船舶情報をEUなどと共有してきたが、自ら疑わしい船舶を拿捕するのは今回が初めてとなる。
この日、英海軍の特殊部隊はロープを使ったラペリングによりタンカーの甲板へ降下した。
作戦にはヘリコプターをはじめ、複数の航空機やフリゲート艦も投入された。
英国防省は、このタンカーをイングランド南岸沖に停泊させたうえで、詳しい調査を行う方針を明らかにした。
今回の英国の作戦は、これまでにもシャドーフリートと疑われる船舶を複数拿捕してきたフランス当局との緊密な協力の下で実施された。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、英国による積極的なシャドーフリート対策を歓迎し、謝意を示した。
ロシアは、2022年3月から科されている制裁を回避するため、数百隻の船舶を制裁逃れのためのシャドーフリートとして活用しているとみられている。
ロシアは、ウクライナ侵攻に伴う制裁を受ける以前、1日当たり700万バレルを超える原油を欧州などへ輸出していた。
注目の記事