
世界の人工知能(AI)覇権競争において、米国の優位性がもはや当然視されないという国際世論調査の結果が出た。
米政治専門メディアのポリティコは15日(現地時間)、英国の世論調査機関パブリック・ファーストが15カ国1万8,000人以上を対象に実施した調査で、複数の国で米国より中国をAI強国と見る回答が多かったと報じた。この機関は、AI企業アンソロピックが後援する政治団体パブリック・ファースト・アクションとは無関係だとポリティコは説明した。
今回の調査はAI技術力の実態を評価したものではなく、各国の人々がどの国をAI分野の先導国と認識しているかを尋ねたものだ。ただ、AI分野で米シリコンバレーが主導権を握り続けるとの認識に、主要国の間で変化が生じていることを示す結果となった。
調査によると、米国の回答者の過半数と日本、インド、ベトナムの回答者の過半数は依然として米国を世界のAI先導国と見ていた。
しかし、フランス、カナダ、英国など米国の主要同盟国を含む残り11カ国では、中国をAI分野の先導国とみる回答が多かった。ドイツでは米国がAI強国だと答えた割合が23%にとどまった。
今回の調査結果は米国ワシントンのAI規制論争とも絡んでいる。米国が中国に後れを取るのではないかという不安が規制緩和論を後押しする一方、AIによる被害への懸念は規制強化論に勢いを与えているためだ。
トランプ大統領は10日「我々は中国を大きく先行している」とし、「AIを主導する側が、かなりの部分で世界を主導することになる」と述べた。
一方、ホワイトハウスの内外では、AIをどの程度規制すべきかを巡る論争が続いている。規制が過ぎれば革新を妨げ、中国に遅れを取る可能性があるという主張と、規制が緩ければ虚偽情報や雇用への影響など社会的被害が大きくなるという懸念が対立している。
前ホワイトハウスAI・暗号資産担当のデビッド・サックス氏は最近、フォックスビジネスとのインタビューで、AIに医薬品のように事前に安全性を審査する手続きを導入すれば「中国とのAI競争で負ける可能性がある」と警告した。
ただし、今回の調査結果は米国内の世論もAI競争を無条件に押し進める方向に流れているわけではないことを示している。
米国の回答者の中でAIが社会に肯定的影響を与えると答えた割合は2024年39%、2025年40%だったが、今年は31%に低下した。逆にAIが社会に否定的影響を与えるという回答は2024年34%、2025年36%から今年40%に上昇した。
AIが個人の生活を改善するという期待も弱まった。肯定的回答から否定的回答を引いた純肯定値は2024年15ポイントから今年5ポイントに落ちた。次世代に対する展望は2024年10ポイント純肯定から今年4ポイント純否定に転じた。
特に18~24歳の米国の若者層の変化が顕著だ。彼らは2025年にはAIが社会を改善すると答えた割合が否定的回答より4ポイント多かったが、今年はAIが社会により悪い影響を与えるという回答が13ポイント多かった。英国の若者層でも似たような傾向が見られた。
米国の回答者が最も大きく懸念した問題は虚偽情報、ディープフェイク、雇用減少だった。AIが前例のない速度でコンテンツを生成できるようになり、ソーシャルメディア企業はAI生成コンテンツが急増する問題を抱えることになり、若者層は初級事務職の仕事が自動化される可能性があるという見通しに不安を募らせている。
AIが使用する電力と資源に対する懸念も高まった。2024年には米国の回答者の52%がAIの電力など資源使用を懸念すると答えたが、今年はこの割合が3分の2レベルに達した。大規模データセンター建設を巡る地域の反発も政治問題に発展している。
ミズーリ州のある町では60億ドル(約9,621億4,100万円)規模のデータセンターを承認した後、市議会議員の半数が選挙で落選した。インディアナポリスでは、データセンター開発に関連する用途変更計画の承認後、市議会議員の一人が自宅への銃撃と脅迫メモによる被害を受けたと主張した。
トランプ大統領は3月、主要技術企業にデータセンター拡張過程で必要な電力を自ら供給するか費用を負担するよう求める「電力料金負担者保護誓約」を提示した。AI覇権競争が技術力争いを超えて電力、雇用、虚偽情報、地域の反発まで抱え込んだ政治問題に発展していると、メディアは分析している。















コメント0