
メルセデス・ベンツは北京モーターショー2026において、中国市場専用のロングホイールベース仕様GLC電気自動車「GLC 400L」を発表した。現地需要に合わせてボディを拡大し、3列シートを備えた6人乗りとした。中国プレミアムSUV市場での存在感強化を狙った戦略的モデルだ。
中国は伝統的にロングホイールベース車両が好まれる市場だ。過去、自動車が富裕層の専有物であった時代に「車が長いほど高級である」という認識が広まり、お抱え運転手による送迎文化とも相まって、ロングホイールベースモデルが一つの基準として定着した。現在は一般的な選択肢となったが、プレミアムの象徴性は依然として有効だ。

こうした背景から、アウディ、BMW、メルセデス・ベンツなどドイツブランドは中国市場向けにロングホイールベースモデルを継続投入している。今回のGLC 400Lも同じ戦略の延長にある。
中国工業情報化部(MIIT)の認証資料によると、同モデルの全長は約4,930mm、ホイールベースは3,027mmで、グローバル仕様よりそれぞれ約53mm、55mm長い。全幅と全高もさらに拡大されており、全体的なクラスが一段階引き上げられた構成となっている。

ボディの拡大に伴い、室内空間の利便性も大幅に向上している。既存の2列ベンチシートに代えて独立型キャプテンシートを配置し、3列シートを追加した6人乗り構成としている点も特徴だ。高級SUV需要の旺盛な中国市場の特性を反映した構成となっている。
外観と快適装備にも中国市場向けの変更が加えられた。中国当局が格納式ドアハンドルへの機械式バックアップを義務付けた規定を反映し、ポップアップ式に代えて通常の物理式ドアハンドルを採用している点も特徴のひとつだ。

GLC 400Lがグローバル市場へ展開される可能性は低い。メルセデス・ベンツには他のラインアップが存在することに加え、関税問題を考慮すれば市場投入の実益も大きくないためだ。ただし、一部のアジア市場では中国生産モデルが販売される可能性もある。













コメント0