
米国とイランが終戦に向けた合意文書(MOU)にすでに電子署名していたことが分かった。文書には、60日間の交渉期間中はホルムズ海峡の通航料を徴収しないことが盛り込まれている。
一方、イランは交渉終了後について、手数料名目で通航料を徴収できるとの立場を示しており、実現した場合は国際原油市場に大きな影響を与える可能性がある。
J・D・ヴァンス米副大統領は15日(現地時間)のメディアインタビューで、「前日にイランと電子的な手続きにより合意文書に署名した」と明らかにした。19日にスイス・ジュネーブで予定されている正式な署名式に先立ち、電子署名の手続きが行われたという。
電子署名には、米国側からドナルド・トランプ大統領とヴァンス副大統領、イラン側から交渉代表を務めたモハンマド・バーゲル・ガリバフ国会議長が参加した。ヴァンス氏によると、署名された合意文書は1ページ半の分量だという。
米国とイランは合意文書の内容をまだ正式に公表していない。しかし、同日のブリーフィングで米政府高官は、ホルムズ海峡について「60日間は通航料を徴収しない」と明記されていることを明らかにした。このため、60日後には交渉の結果次第でホルムズ海峡の通航が有料化される可能性もあるとの見方が出ている。
これは、ホルムズ海峡の通航料を恒久的に免除するとしたトランプ大統領の説明とは食い違う内容だ。
ヴァンス氏は「我々はホルムズ海峡が長期的に通航料なしで開放されることを期待している」と述べたうえで、「この問題は今後の交渉で解決していく」と語った。
一方、イラン国営のファルス通信は、米国がホルムズ海峡での「手数料」徴収を認めたと報じるなど、米国側とは異なる説明を展開した。イラン外務省のエスマーイール・バガーイー報道官も同日、「通行料ではなく、(海峡通過に際して)提供するサービスに対する手数料を徴収する」と述べた。
これに対し、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、専門家の見解を引用し、「通行料であれ別の名称であれ、沿岸国がホルムズ海峡のような国際海峡の通航に料金を課すことは国際法上認められていない」と指摘した。さらに、戦闘期間中にイランがホルムズ海峡へ機雷を敷設した場合、船舶の航行が長期間にわたって妨げられる可能性があるとの懸念も出ている。
米国側はまた、イスラエル軍のレバノンからの撤退は今回の合意文書の対象外との立場を示した。
イランメディアはこれに先立ち、レバノンを含むすべての戦線で戦闘を停止する内容が盛り込まれていると報じており、説明に食い違いが生じている。
イランはこれまで、終戦合意の前提条件としてイスラエルとレバノン間の戦闘終結を求めてきた。このため、今後両国間の軍事的緊張が高まった場合、60日間の交渉期間中に新たな対立要因となる可能性がある。
イランの海外凍結資産をめぐっても、双方の立場には隔たりが残っている。
イラン側は、合意文書への署名と同時に一部資産に対する制裁が解除されるべきだと主張している。一方、米国は、イランが核問題をめぐって先に具体的な協力措置を講じなければ制裁を緩和できないとの立場を示している。
トランプ大統領は、合意文書の内容について、19日に予定されている署名式の後に公表されると明らかにした。















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