
米上院は23日、米国のドナルド・トランプ大統領が議会の承認なしにイランとの戦争を再開できないようにする戦争権限(War Powers)決議案を、賛成50票、反対48票で可決した。米下院が今月上旬に同じ決議案を可決したのに続き、上院もこれを可決したことで、米議会がトランプ大統領の対イラン軍事行動に初めて超党派で歯止めをかけた形だ。
今回の決議案は、米国とイランが最近、終戦に関する了解覚書(MOU)を締結し、その後の交渉を進める中で採決された。民主党は、休戦が成立した今こそ、今後の軍事行動を議会が統制すべき時期だと主張している。決議案を主導した民主党のティム・ケイン上院議員は、「最も激しい戦争局面から一歩後退した今こそ、次の段階を議会が決めるべき時だ」と述べた。共和党からも、ランド・ポール、スーザン・コリンズ、リサ・マコウスキー、ビル・キャシディの各上院議員4人が、民主党側に加わった。一方、民主党で反対票を投じたのは、ジョン・フェッターマン上院議員だけである。
今回の決議案は、上院で今年に入って10回目の採決の末、初めて可決された。これまで共和党の反対で否決が続いていたが、今回は共和党の上院議員4人が賛成に転じ、共和党のミッチ・マコーネル上院議員ら2人が欠席したことで、辛うじて可決に至った。
ただ、今回の決議案が実際にトランプ大統領の軍事行動を法的に阻止できるかどうかは不透明だ。この決議案は、大統領の署名を要しない「両院一致決議(concurrent resolution)」であり、法律ではない。AP通信は「象徴的な性格が強い」と評価し、米紙ニューヨーク・タイムズは「法的拘束力がなく、実効性は未検証の領域だ」と伝えた。一方、決議案を支持する側は、憲法上、宣戦布告権は議会にあるため、戦争権限決議は通常の両院一致決議とは異なると主張している。
実際、トランプ大統領は、イランが合意に違反した場合、「非常に強力な再攻撃に踏み切る」と繰り返し警告している。そのため、再空爆を巡る論争は今後も続く可能性が高い。トランプ大統領が、最高司令官として自衛権や緊急時の軍事行動権限を根拠に、再び空爆を命じることができると主張する余地があるためだ。
ただ、米上下両院が議会の承認を得ない戦争の拡大に反対する立場を正式に示したことで、今後トランプ大統領が対イラン軍事行動を再開すれば、法的・政治的な論争と負担は一段と大きくなるとの見方が出ている。














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