ロシア、ベラルーシに対ウクライナ戦争への関与拡大を要求か

ロシアが今年初め、ベラルーシをロシアのウクライナ侵攻の拡大や北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対する非通常作戦の拠点として活用するため、ベラルーシへの圧力を強めていると米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が23日(現地時間)報じた。
ロシア軍がウクライナ東部で攻勢を維持できず、戦争開始から4年以上が経過してウラジーミル・プーチン露大統領の国内支持率も低下する中、ロシアが戦線拡大を視野に入れている兆候だとWSJは分析した。
当局者らは、ロシアが戦術核兵器を配備しているベラルーシが戦線拡大の構想で重要な役割を担う可能性があると指摘している。
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は先月、エマニュエル・マクロン仏大統領との電話会談で「ベラルーシの戦争関与が拡大する可能性があるとの情報をフランス側が把握している」と伝えられたと述べた。
マクロン大統領の側近も電話会談の事実を確認し「マクロン大統領はベラルーシがロシアによるウクライナ侵攻にさらに巻き込まれることを容認した場合に直面するリスクを強調した」と説明した。
2022年にロシアがベラルーシ経由でウクライナに侵攻したものの、撤退を余儀なくされて以降、ベラルーシは概ね戦争への関与を最小限に抑えてきた。
米政府当局者は過去1年間、ベラルーシをロシアから引き離そうとする取り組みの一環として、ベラルーシを何度も訪問してきた。
米国は肥料原料となるベラルーシ産カリウムに対する制裁を解除し、周辺国にも同様の措置を取るよう促した。これにより外貨不足に苦しむベラルーシの資金稼ぎを支援する狙いがあった。
ルカシェンコ大統領も米当局との交渉を経て、約500人の政治犯を釈放した。
しかし最近では、ウクライナ軍によるロシアの石油・製油施設への攻撃で燃料不足が深刻化したことを受け、ベラルーシはロシアにガソリンや各種石油製品を供給した。
さらにロシアは、国内から発射したドローンをウクライナ深部へ誘導するため、ベラルーシに設置した地上誘導施設の利用を拡大しているという。
これを受け、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はベラルーシがロシア軍による基地利用を認め続けるのであれば、ベラルーシ内の地上基地を攻撃すると警告した。ゼレンスキー大統領は、これらの施設が最近ウクライナのリウネ州、ジトーミル州、ボリン州に対するロシア軍の空爆で使用されたと主張している。
元ロシア政府当局者や現職の欧州当局者らによると、ベラルーシによるロシア支援は同国をウクライナ軍の攻撃対象とする恐れがあるにもかかわらず、ロシアはベラルーシへの圧力をさらに強めているという。
ロシアはベラルーシからウクライナに向けたドローン攻撃を可能にすることで戦線を西側へ拡大し、ウクライナ軍を東部の重要戦線から分散させることを狙っているとみられる。
また、ベラルーシはNATO加盟国に対する作戦にも利用される可能性がある。
ゼレンスキー大統領は先月、ロシアとベラルーシ当局者の通信内容から、ロシアがベラルーシをウクライナやバルト海諸国に対する軍事作戦の拠点として利用することを検討している実態が明らかになったと主張した。
元ロシア情報機関幹部は、ロシアが財政支援の打ち切りをちらつかせながら、ベラルーシに圧力をかけていることを認めた。
同氏によると、大半のやり取りはルカシェンコ大統領とロシアの駐ベラルーシ大使ボリス・グルイズロフ氏との間で行われたという。
一方で、ロシアが近くベラルーシを軍事作戦に投入する明確な兆候は現時点では確認されていない。
ただし、事情に詳しい関係者らは、その可能性は依然として排除されていないと指摘している。また、その作戦は必ずしも従来型の軍事攻撃とは限らないとの見方を示した。
昨年夏、ロシア軍のドローン20機がベラルーシ側からポーランド領空に侵入したように、NATOの防衛態勢を試したり、ウクライナ支援の結束を弱めたりすることを目的とした作戦が実施される可能性もあるとしている。














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