
米国とイランが終戦の了解覚書(MOU)を締結し、核交渉を本格的に開始したなか、終戦に反対するイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、米国内の世論を覆す手段を失ったとの評価が出ている。2015年、米国のバラク・オバマ政権の包括的共同作業計画(JCPOA)の締結当時には、米国の上下両院の合同会議での演説に立つなど強く抵抗したが、2026年の核交渉の局面では、特に動きが見られない。
タイムズ・オブ・イスラエル(TOI)は23日(現地時間)「ネタニヤフは2015年の方式で今回の交渉を阻止できない。トランプもそれを知っている」と題した分析記事で「イスラエル人の大多数が深刻な脅威とみなす交渉が進行しているにもかかわらず、ネタニヤフはこれを阻止する手段をほとんど失った」と診断した。
ネタニヤフ首相は、オバマ政権とイランのJCPOAの締結が迫った2015年3月に、米国議会を訪れ、核合意への反対の演説を行った。ネタニヤフ首相は当時「悪い合意よりは、むしろ合意がない方が良い。これは、イランの核武装を可能にする非常に悪い合意だ」と主張した。
オバマ政権のJCPOAの締結を阻止することはできなかったが、共和党を中心に親イスラエルの世論を70%台まで引き上げ、演説の2週間後に行われた総選挙でも、支持層の結集に成功し、再選を果たすなど、個人的な成果も得た。
TOIは、2015年のネタニヤフ首相の行動について「米国内での人気が高く、米国のユダヤ団体の協力があり、共和党が掌握した議会を通じて、民主党の大統領と対抗できた」と分析した。当時、共和党に所属していたジョン・ベイナー下院議長が、民主党政権であるオバマ政権を牽制するために、ネタニヤフ首相の演説を企画したと伝えられている。
しかし、2026年の核交渉は、共和党政権であるトランプ政権が主導しているため、共和党が多数を占める議会が、ネタニヤフ首相を呼ぶ理由がない。加えて、米国内の親イスラエルの世論は40%台まで下がっており、親イスラエルの最大ロビー団体である米国・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)も、ネタニヤフ首相の行動に沈黙を守っているというのが、TOIの評価だ。
23日に行われた民主党のニューヨーク州の連邦下院議員の予備選挙(予備選)で、イスラエルへの支援の中断を掲げた社会主義的な傾向の候補が大挙して躍進し、米国政界の対イスラエルの認識自体が変化しているとの観測も出ている状況だ。
さらに、トランプ大統領さえ、ネタニヤフ首相のレバノンでの戦線拡大を何度も直接批判した。トランプ大統領とともにイランの核の脅威を排除したと主張するネタニヤフ首相にとっては、これ以上対立を深める場合、総選挙を行うのが難しくなる側面がある。
これを受け、ネタニヤフ首相が、ひとまず沈黙を守り、米国とイランの核交渉決裂を待っているとの解釈も出ている。TOIは「現在のところ、どうにか核交渉について最大限、言及を避けることが最善の方法だ」と評した。













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