
中国が来年3月までに米国と同等水準の人工知能(AI)を実現するとの、テスラのイーロン・マスクCEOの予測に対し、中国・清華大学の教授が「それよりも早い可能性がある」と反論した。
発端となったのは、マスク氏が運営するSNS「X(旧Twitter)」上で交わされた米中のAI開発競争をめぐる議論だ。18日には、清華大学コンピューター科学技術学部の唐杰教授が開発に携わったAIモデル「GLM」の性能評価をめぐり、議論が活発化した。
議論では、唐氏が創業した中国AI企業「智譜AI(Zhipu AI)」が開発したGLMについて、世界最高水準の性能を持つとされる米Anthropicの「Claude」に比べ、約7か月遅れているとの見方が示された。
これに対しマスク氏は、「中国のAIがAnthropicの『Claude Fable』や『Claude Mythos』に匹敵する性能に達するのはいつ頃だと思うか」との質問に対し、「おそらく来年第1四半期(1~3月)だろう」と答えた。
これに対し、唐氏は「それほど時間はかからない」と反論した。
するとマスク氏は、「性能指標の面では来年第1四半期より前に追いつく可能性があるとしても、実用性の観点から見れば、第1四半期の時点で追いつければ非常に印象的だ」と述べた。その上で、「Anthropicは実用性の最大化に注力してきた。こうした要素はAIの性能評価には表れにくいものの、収益には確実に反映される」との見方を示した。
唐氏は、「特にAI研究では、『知能とは本質的に何か』という問いに焦点を当てる必要がある」と述べ、中国のAI業界が収益化の面では依然として弱みを抱えていることを認めた。
AnthropicやOpenAIなど米国のAI企業は、今秋にも株式市場への上場を準備しており、これを通じてAI産業の商業的価値を示そうとしている。
一方、「ファストフォロワー」と位置付けられる中国のAI企業は、オープンソース(ソースコードを公開し、自由に利用できる方式)戦略を武器に、米国のAIサービスと比べて数十倍低い価格でトークン(AIが情報を処理する際の基本単位)を提供している。
唐氏は15日、大規模言語モデル(LLM)「GLM-5.2」を正式に公開するとともに、オープンソース化も実施した。また、世界100万人以上のユーザーが参加し、AIのコーディング能力を評価する指標として知られる「Code Arena」では、GLMが首位を獲得した。
従来のAIが即時の質問応答に重点を置いていたのに対し、GLM-5.2は長時間に及ぶタスクの処理に最適化されており、大規模なエンジニアリングプロジェクトを数時間にわたって自律的に遂行できるとされる。
一方、Anthropicの最新モデル「Claude Fable 5」と「Claude Mythos 5」は12日、米商務省による輸出規制の対象となり、海外からのアクセスが制限された。
当時、唐氏は「科学は本来、世界に開かれたものでなければならない」と述べ、「汎用人工知能(AGI)への道が高い壁によって閉ざされるべきではない」として、米政府によるAI規制を暗に批判した。
市場は、マスク氏が指摘したAI分野への期待を株価の上昇という形で織り込んだ。唐氏が設立したAI企業「智譜AI(Zhipu AI)」の関連銘柄は、22日の香港市場で37.33%上昇した。













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