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「史上初」の備蓄米放出、本当に救えるのか?農家の高齢化と後継者不足が招いた「偶然ではない」コメ危機

川田翔平 アクセス  

引用:聯合ニュース
引用:聯合ニュース

政府は史上初めて、流通問題を理由に備蓄米の放出を決定し、市場安定化を目的とした備蓄米の入札を開始した。しかし、業界内では農家の高齢化と後継者不足が影響し、コメ不足が今後も繰り返される恐れがあるとの懸念が広がっている。

 

米市場、応急措置で解決可能か

農林水産省は10日から、政府備蓄米の放出のための入札を開始した。政府がコメの流通円滑化を目的にこのような決定をしたのは今回が初めてなのだ。

今回放出される量は15万トンで、農業協同組合(JA)などの大手集荷業者が入札に参加する予定だ。対象となるのは「まっしぐら」など計41品種。早ければ3月下旬から店頭に並ぶ見込みだ。さらに、農林水産省は今回の15万トンの放出とは別に、追加で6万トンの放出を検討している。

政府による備蓄米放出の背景には、コメの価格高騰が長期化していることがある。2024年2月下旬時点で、新潟産コシヒカリ60kgの卸売価格は約5万1,250円、秋田産あきたこまちは約4万9,000円となり、いずれも1年前の約3倍に達している。

コメの高騰は、2023年夏の記録的な猛暑に起因している。高温障害の影響により、一部地域では稲の品質が低下し、1等級米の供給が大幅に減少した。このため、2024年においても卸業者による米確保が困難となり、昨夏にはスーパーからコメが姿を消すなど、流通市場において深刻な混乱が生じた。

農林水産省は秋の新米出荷により価格が安定すると予測していたが、実際にはコメの価格は一層の上昇を見せた。卸業者が品薄を懸念して例年以上の量を確保しようとした結果、逆に価格が一段と高騰する事態となった。

引用:聯合ニュース
引用:聯合ニュース

高齢化進む農家、60%が後継者不在で放置される水田

政府は備蓄米放出による短期的なコメ供給の増加と価格安定を目指しているが、根本的な解決策がなければ、コメ不足の再発を避けることは難しいとの指摘がある。

業界関係者は、今回の事態を単なる気候変動の影響にとどまらず、国内稲作の構造的問題を浮き彫りにしたものとして捉えている。戦後の食生活の変化に伴い、コメの消費は減少し、コメ価の長期的な下落が農家の収益性を圧迫してきた。稲作農家の数は減少を続け、現在、個人農家の約60%が70歳以上の高齢者となっている。

特に、後継者不足が深刻で、多くの農家が後継者を欠いており、農業を断念するケースが増加している。後継者のいない水田は放置されることが多く、長期的にはコメの生産基盤そのものが危機に直面する恐れがある。

日本経済新聞は「日本政府が数十年にわたり米の供給過剰を抑制する政策を推進してきたが、今や米不足に備える方向へ転換すべきだとの指摘が出ている」と報じた。

国内の政府備蓄米制度は食糧危機に備えて一定量の米を国が保管するシステムで、1993年の大凶作を機に1995年に導入された。10年周期で起こり得る大凶作にも対応できるよう、約100万トンを基準に備蓄している。現在、政府備蓄米は全国300カ所以上の倉庫で約90万トンが長期保存に適した玄米の状態で保管されている。

政府は昨年1月、備蓄米放出規定を改正し、流通障害発生時にも備蓄米を放出できるようにした。放出分と同品質・同量を1年以内に再購入する条件が付されている。従来は凶作や大規模自然災害などの緊急時のみ放出が可能だった。

日本経済新聞は「数十年にわたり米の供給過剰を抑制する政策が推進されてきたが、現在、コメ不足に備える方向に転換すべきだとの指摘が出ている」と報じた。

政府の備蓄米制度は食糧危機に備えて一定量のコメを国が保管するシステムで、1993年の大規模な不作を受けて1995年に導入された。10年周期で起こり得る大規模な不作に対応するため、約100万トンを基準に備蓄している。現在、政府備蓄米は全国300カ所以上の倉庫に保管されており、約90万トンが長期保存に適した玄米の状態で保管されている。

政府は昨年1月、備蓄米放出規定を改正し、流通障害発生時にも備蓄米を放出できるようにした。放出分と同品質・同量を1年以内に再購入する条件が追加され、従来は不作や大規模自然災害などの緊急時のみ放出が可能だった。

川田翔平
editor@kangnamtimes.com

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