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「怪物級上場が現実味」OpenAI・Anthropic・SpaceXが動かす2026年

有馬侑之介 アクセス  

引用:ニューシス
引用:ニューシス

OpenAIやAnthropicなどの人工知能(AI)関連企業に加え、SpaceXも年内の新規株式公開(IPO)を視野に準備を進めており、2026年が「怪物級」の上場ブームの年になる可能性があると、米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。

同紙によると、AI分野をけん引してきたAnthropicとOpenAIは、上場に向けた初期手続きに着手した。SpaceXは、IPOを主幹事として担う銀行を選定するため、候補行へのヒアリングを行ったとも伝えられる。

3社のうち1社が上場するだけでも、2019年にサウジアラビアのアラムコが上場し、企業価値を1兆7,000億ドル(約269兆4,500億円)と評価されて以来の大型案件になる可能性があるという。Anthropicは企業価値3,500億ドル(約55兆4,750億円)での資金調達交渉を進め、OpenAIは5,000億ドル(約79兆2,500億円)規模で評価されている。SpaceXは直近で8,000億ドル(約126兆8,000億円)と評価された。

こうした超大型上場が実現すれば、数年にわたり新規上場が低迷してきたウォール街とシリコンバレーに、大きな収益機会をもたらし得る。AIブームの恩恵を待っていた株式投資家の資金流入も見込まれ、主幹事を務める投資銀行には数億ドル規模の手数料収入が入る可能性がある。結果として、根強いAIバブル論にもかかわらず、熱気が一段と強まる展開も想定される。

ただ、市場の変動性が高まる局面では上場判断が先送りされることもある。地政学リスクの拡大に加え、中間選挙を巡る不確実性が増す場合、計画が後ろ倒しになる余地も残る。特にAnthropicとOpenAIは、準備がまだ初期段階にとどまっているとされる。

Anthropicは昨年12月、上場準備の開始に向けて法律事務所ウィルソン・ソンシニに助言を求めた。OpenAIも昨年、非営利組織から営利企業へ移行する作業を進めており、上場を意識した動きだったという。OpenAIのサム・アルトマンCEOは先月、上場企業の経営に対する「興味は0%」だとしつつも、より多くの資金調達が必要なため、上場が必要になる可能性に言及した。

設立から24年になるSpaceXの準備は、3社の中で最も具体化している。銀行との面談を進め、株主にはIPOの意向を示したとされる。上場で得た資金を宇宙空間にAIデータセンターを構築する計画に充てる考えも示し、AI事業への関与を強調した。

米国のIPO市場は2021年以降、勢いを欠いてきた。上場動向を追うルネサンス・キャピタルによれば、2021年は397社が上場して1,424億ドル(約22兆5,800億円)を調達した。これに対し昨年は202社が上場したものの、調達額は440億ドル(約6兆9,800億円)にとどまったという。

今年、3社のうちいずれかが上場に成功すれば、他社も追随する可能性がある。すでに一部の企業は動き始めており、AIソフトウエアとハードウエアを手がけるモーティブ・テクノロジーズは先月、上場に向けた目論見書を提出した。暗号資産取引所クラーケンも昨年11月に上場関連書類を提出したとされる。

AI企業が上場すれば、企業の実態がより詳細に開示されるため、バブル論がしぼむ可能性があるとの見方もある。2012年にフェイスブックが上場してソーシャルメディア産業が巨大化したように、AI産業や宇宙産業が主流に位置付けられていく契機にもなり得る。加えて、巨額投資を続ける各社が実際に収益を生み出せるのかを、市場が厳密に評価する場になる。

もっとも、課題も小さくない。AIブームはスタートアップが非公開のまま巨額資金を集める流れを変えつつあるが、背景にはデータセンター投資やクラウド計算費用など、従来よりはるかに大きな資金需要がある。OpenAIは累計で600億ドル超(約9兆5,100億円)を調達し、Anthropicも少なくとも400億ドル(約6兆3,400億円)を調達した上で、追加で100億ドル(約1兆5,830億円)の資金確保を協議しているという。

事業規模は急速に拡大している。OpenAIはChatGPTの購読料などで昨年130億ドル(約2兆614億円)の売上を計上し、今年は3倍に伸びる見通しだとしている。企業向けAIサービスに注力するAnthropicも、年換算で80〜100億ドル(約1兆2,680億〜約1兆5,850億円)規模に相当する売上水準を示した。

一方で、資金消費のペースも急激だ。OpenAIは昨年から2029年までに1,150億ドル(約18兆2,275億円)を支出する計画を掲げる。これまで各社は企業価値を引き上げる形で大型の資金調達を重ねてきたが、IPOは一度に巨額資金を確保できる手段でもある。OpenAI、SpaceX、Anthropicが上場すれば、資産100万ドル(約1億5,850万円)以上の富裕層が16,000人を超える可能性があるとも報じられた。

ただ、上場が必ずしも順風満帆に進むとは限らない。グーグル(2004年)やフェイスブック(2012年)のように上場前から高い収益性を示した企業と異なり、AI企業は依然として損失が大きく、今後も追加の資金調達が必要になる見通しで、投資家の慎重姿勢につながり得る。

有馬侑之介
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