
パレスチナ自治政府(PA)のマフムード・アッバス議長が、日本に対しパレスチナの国家承認を公式に要請した。これまでパレスチナの国家承認に慎重な立場を示してきた日本に対し、その方針の転換を求めた形だ。
アッバス議長は29日に公開された朝日新聞とのインタビューにおいて、ガザ地区の再建における日本の貢献に期待を寄せるとともに、パレスチナを国家として承認するよう要求した。
米国の中東政策を尊重する主要7カ国(G7)のうち、英国、カナダ、フランスなどの主要国は昨年以降、パレスチナを国家として公式に承認する動きを見せている。日本は依然としてこの動きに加わっていないが、これは国家承認に反対する米国の立場を考慮したものとされている。
アッバス議長は、世界で約160カ国がすでにパレスチナを国家として承認している点に触れ、日本政府にも承認を要請した。これはイスラエルに対抗するためではなく、中東和平の実現のためであり、承認を拒む理由はないはずだとの認識を示した。
日本政府はこれまで「二国家解決」への支持を表明しつつも、パレスチナの国家承認については時期尚早であるとの立場を繰り返してきた。「二国家解決」とは、イスラエルとパレスチナ独立国家が共存することを目指す、国際社会が主導する平和計画である。
ガザ地区の停戦後の統治について、アッバス議長はPAの関与が不可欠であると強調した。米国が主導する民軍協力センター(CMCC)については、PAの役割を補完するものであり、代替するものではないと指摘。PAを排除した統治は安定を損なう恐れがあり、長期的な成功の見通しを弱めると主張した。
日本政府は、イスラエル南部に設置されたCMCCに少数の民間人を派遣する方針を固めている。この機構には約50の国や機関が参加している一方、PAは参加していない。
戦後統治に関しては、イスラム組織ハマスの武装解除と、ガザ支配の終結が不可欠であると述べた。アッバス議長は「一つの権力、一つの法、一つの武器」を前提とし、PAが正統な統治機構であることを強調した。
今後の日程については、戦争終結後1年以内に選挙を実施する方針を再確認した。ただし、選挙の前提としてイスラエル軍のガザ撤退を条件に挙げている。2年間に及ぶ戦闘により有権者の確認作業に時間を要し、イスラエル軍が駐留している状況下では作業自体が困難であるというのがPA側の立場である。
アッバス議長が海外メディアのインタビューに応じたのは、10月10日の停戦協定以降で今回が初めてとなる。インタビューは25日、PAの拠点であるヨルダン川西岸のラマラで行われた。













コメント0