
ドナルド・トランプ米大統領は、イランと取引を継続する国に対し、一律25%の追加関税を課す方針を表明した。しかし、この措置が米国内の物価上昇を招き、ようやく沈静化の兆しを見せていた中国との貿易戦争を再燃させるなど、逆効果になる懸念が強まっている。
AP通信は14日(現地時間)、この新方針が発動された場合、トルコ産の繊維製品やインド産の宝石などの輸入価格が高騰し、米国内のインフレ圧力を再燃させかねないと報じた。また、昨年10月に韓国・慶州でのAPEC首脳会議を機に合意された「米中貿易休戦」を根本から揺るがす恐れがあるとの指摘も出ている。
ロイター通信も、本措置がイラン最大の貿易相手国である中国との摩擦を再び表面化させ、習近平国家主席の出方を試す局面になると分析している。ホワイトハウスは追加関税の詳細な仕組みを明らかにしていないが、すでに適用されている相互関税にさらに上乗せされるのか、国際社会は注視している。
中国はイラン産原油の輸出先の8割以上を占めるなど、イランにとって最大の経済的支柱だ。トランプ氏が予告通り25%の関税を上乗せすれば、中国の対米輸出品に課される実効関税率は70%を超える可能性がある。これは、昨年10月に両首脳が合意した57.5%を大幅に上回る。
アジア・ソサエティ政策研究所のウェンディ・カトラー副代表は、「この方針は米中間の信頼関係がいかに脆弱であるかを示している」と指摘し、たとえ発動されずとも、不透明感そのものが既に経済的損失を生んでいると警鐘を鳴らした。
一方で、中国への実質的な影響は限定的だとする冷静な見方もある。中国税関のデータによれば、昨年の中国によるイラン産品の輸入額は29億ドル(約4,567億円)にとどまり、トランプ政権第1期(2018年)の210億ドル(約3兆3,075億円)から激減しているからだ。北京の専門家は、「中国とイランの経済的な結びつきは以前ほど強くなく、今回の関税方針はイランに圧力をかけるための政治的口実にすぎない」との見解を示している。
4月に北京での米中首脳会談を控える中、トランプ氏の強硬姿勢が交渉戦術の一環なのか、それとも実効性を伴う新たな制裁の始まりなのか、世界市場に緊張が走っている。















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