
米露間の核軍縮条約である新戦略兵器削減条約(「新START」)の失効が2日後に迫る中、ロシアは条約が失効すれば、世界はさらに危険な状況に陥ると改めて警告を発した。
ロシア国営の「タス通信」によると、ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は3日(現地時間)、記者会見で「時間が尽きつつある。数日後には、世界は以前よりもさらに危険な状況になるだろう」と述べた。さらに、「世界最大の核兵器保有国である米露両国が、核兵器を制限し、監視を保証する基本的な枠組みとなる文書を持たないまま存在するのは初めてのことである。我々はこれを非常に憂慮している」と強調した。また、「この状況は世界の安全保障と戦略的安定にとって、極めて深刻な悪影響を及ぼすことになる」とも述べた。
ロシアは、「新START」の失効日が近づく中、連日警告のメッセージを発信している。米露間で最後に残された核軍縮条約である「新START」は、2月5日に失効する。
2010年に締結された同条約は、両国の核弾頭数をそれぞれ1,550発以下、運搬手段を700基以下に制限し、定期的な相互の核施設査察を義務づけている。しかし、2022年にロシアがウクライナで開始した「特別軍事作戦」の影響で、米露間の核軍縮を巡る対話は中断された。こうした中、ウラジーミル・プーチン大統領は昨年9月、条約を1年間延長することを米国側に提案したが、米国は現時点で明確な回答を示していない。
ペスコフ報道官は、「失効日までの残り期間においても、プーチン大統領の提案は議題にある。我々は依然として米国からの返答を受け取っていない」と述べた。米国が中国など他の核保有国を含めた核軍縮合意の推進に意欲を見せる一方で、ペスコフ氏は、中国が将来の戦略的安定に関する条約に組み込まれる可能性について、「我々の中国の友人たちがこれに反対していることは周知の事実である」と述べ、否定的な見解を示した。
一方でペスコフ氏は、将来の戦略的安定システムを議論する際には、米国の同盟国である英国とフランスの核戦力も考慮に入れる必要があると強調した。
ロシア外務省で米州・軍縮分野を担当するセルゲイ・リャブコフ次官も同日、中国・北京を訪問し、軍備管理対話を多国間枠組みに拡大するには、英国とフランスの参加が不可欠だとの認識を示した。その上で、ロシアは軍備管理を巡る中国の明確な立場を尊重していると述べた。また、プーチン大統領の提案に米国が応じていない状況について、リャブコフ氏は「米国に対して、いかなる要求や公式な抗議を行う考えはない」とした上で、「我々は適切な時期に必要なことはすべて行った。相手には十分に検討する時間があったはずだ」と語った。さらに、「返答がないこと自体が一つの返答である」と述べ、ロシアは核兵器の制限が存在しない新たな現実に備えていると強調した。
「新START」失効後に無制限の軍拡競争が引き起こされるとの懸念については、「ロシアが挑発に屈して軍拡競争に加わることはない」と否定し、「自国の安全を確保するための十分な能力はすでに備えている」と断じた。また、ロシアの大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機からなる「核の三本柱」の近代化が極めて進んでいると指摘し、「新STARTが締結された当時には存在しなかった新たなシステムもある」と主張した。その上で、米国がグリーンランドに武器システムや「ゴールデンドーム」を配備した場合には、ロシアとして軍事的・技術的な対応措置を取る考えを示し、強い警告を発した。
















コメント0