
中東に点在する少数民族クルド人が、米国とイスラエルの対イラン戦争における最大の「変数」として浮上している。軍事作戦の長期化が予想される中、トランプ政権がクルド人勢力に地上戦のリスクを負わせ、米軍の代わりに「血を流させる」戦略をとっているとの見方が強まっている。
現地時間3月4日、米FOXニュースやイスラエルの「エルサレム・ポスト」は、イラクに拠点を置くクルド人武装勢力数千人がイラン領内へ進入し、地上攻撃を開始したと報じた。これに先立ち、トランプ大統領は3月1日にクルド人指導者のマスード・バルザニ氏およびバフェル・タラバニ氏と電話会談を行い、協力を要請したとされる。ホワイトハウスのレビット報道官は4日の会見で接触の事実を認めたが、具体的な軍事支援については明言を避けた。
しかし、トランプ氏は3月5日、クルド人によるイラン攻撃について「全面的に賛成する」と述べ、支持を鮮明にした。トランプ政権は、イスラム国(IS)掃討作戦で高い戦闘経験を持つクルド人を前面に出すことで、米軍の追加犠牲という政治的負担を避けつつ、イラン国内の反政府蜂起を誘発し、現体制の崩壊(レジームチェンジ)を加速させる狙いがあるとみられる。
国家を持たないクルド人は、中東4か国に3,000万~4,000万人が居住しており、イラン国内の反体制派の中でも最も組織化された勢力とされる。専門家らは、米国によるクルド人支援を「ハチの巣を突くようなもの」と表現し、事態のさらなる悪化を懸念している。米国務省の元近東担当次官補バーバラ・リーフ氏は、クルド人への介入が「クルド問題を抱えるトルコ、イラク、シリアの強い反発を招き、地域全体の混迷を深める」と予測した。
一方で、クルド人側には慎重論も根強い。独立国家樹立を夢見て過去に何度も米国を支援しながら、最終的に「梯子を外された」裏切りの歴史があるためだ。トランプ大統領自身も前政権時、シリアのクルド人勢力(YPG)をIS掃討に利用した後、関係を断ち切った前例がある。今回の「エピック・フューリー作戦」における共闘が、クルド人にとって悲願の独立への一歩となるのか、あるいは再び大国の使い捨てに終わるのか、その行方が注視されている。














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