
米国とイランが今回の戦争で相次いで投入している低価格ドローンが、戦場の構図を変える存在として浮上している。イランは550万円にも満たないシャヘド・ドローン(左)で米軍や周辺の湾岸諸国を攻撃し、米国はこれを模倣したLUCASドローン(右)で対抗している。巨額の費用を要するのが常だった現代戦のあり方を塗り替えつつあるとの分析が出ている。
ニューヨーク・タイムズは8日、2024年から米軍の研究開発チームがイラン製シャヘド・ドローンをリバースエンジニアリングし、標的訓練用として活用してきたと報じた。そのうえで、今回の戦争では、それを模した米国のLUCASドローンがイランの基幹施設を攻撃し、同国の防空網を圧倒したと伝えた。
シャヘド・ドローンとLUCASドローンは、全長約3.05メートル、翼幅約2.44メートルの機体だ。座標を入力すれば数百キロを自律飛行し、目標に衝突した際に機首部分に搭載された爆発物が炸裂する。低価格ドローンは速度が遅く、低高度で飛行するため、かえって最新の防空網に捉えられにくい。ドローン対策のためにレーダー探知網の設定を変更すれば、鳥や小型の民間機を誤って撃墜するおそれもある。
イランが今回の戦争で周辺の湾岸諸国を攻撃する際に用いたのも、こうした低価格ドローンだった。アラブ首長国連邦のドバイにあるアマゾンのデータセンターと、サウジアラビアの首都リヤドにある米国大使館が、イランのドローン攻撃の標的となった。1機当たりの価格が約3万5,000ドル(約550万円)にすぎないシャヘドを、防空網が1回撃墜するたびに最大300万ドル(約4億7,300万円)がかかるとされる。1発250万ドル(約3億9,000万円)のトマホーク巡航ミサイルと比べても、その経済性は際立っている。
米国は、シャヘド・ドローンを参考に開発したLUCASドローンを今回の戦争に投入した。ドローンによる攻撃に対し、同様にドローンで対抗した形だ。とりわけLUCASは、米アリゾナ州のスタートアップ企業スペクトルワークスが約18か月で製作したと伝えられている。これまで国防当局の官僚的な調達方式で兵器を整備してきた米国が、シリコンバレー型の迅速な革新を通じて新兵器を導入したとの評価も上がっている。
米軍は、低価格ドローンと連携して運用できる高性能ドローンの確保に向け、アンドゥリルやスカイディオなどの民間防衛企業とも契約を結んだ。より精密に標的を攻撃できるドローンを大量配備することが狙いとの見方が出ている。今後はAI技術の発展に合わせ、ドローンが標的を自律的に識別して攻撃する方式の研究も進められている。
















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