
中東紛争の開始から10日が経過し、戦況は緊迫の度を増している。イランと米イスラエル連合軍による衝突は依然として継続しており、無人機(ドローン)やミサイルによる攻撃が応酬されている。こうした中、米国は長距離戦略爆撃機を欧州の前進基地へ移動させるという、新たな軍事的圧力を一段と強めた。紛争は単なる局地的な空爆を超え、戦略的な威圧段階へと拡大する様相を呈している。
米軍、英フェアフォード基地にB-52Hを配備
現地時間3月9日、米空軍の戦略爆撃機B-52Hが英国に展開した。配備先は英グロスターシャー州にあるフェアフォード空軍基地だ。同基地は、米空軍が欧州で作戦を展開する際の前進拠点として機能している。今回の展開は、英国政府が米軍の作戦支援を承認した直後に実施された。米国は同基地を活用することで、中東に対する長距離打撃能力を大幅に強化した形だ。
「成層圏の要塞」 米空軍を象徴する長距離爆撃機
B-52は、米空軍を代表する戦略爆撃機であり、「成層圏の要塞(ストラトフォートレス)」の愛称で知られる。8基のエンジンを搭載した大型爆撃機で、最大31トン以上の兵装搭載能力を誇る。航続距離は約1万km以上に達し、米国の「核の三本柱」の一翼を担う重要な資産だ。
長距離精密打撃能力の拡充 B-52Hは、自由落下爆弾による攻撃だけでなく、長距離精密誘導兵器の運用能力も備えている。その代表が巡航ミサイル「JASSM(ジャズム)」だ。このミサイルを運用することで、一度の出撃で敵防空網の圏外から多数の目標を同時に攻撃することが可能となる。
「B-1B」も集結、欧州基地に戦力が集中
フェアフォード基地には、すでに超音速長距離爆撃機「B-1B」ランサーも展開している。二種類の戦略爆撃機が同時に配備されたことで、欧州の前進基地に米空軍の戦略資産が集中する事態となっている。
前進基地の活用により作戦効率を最大化
今回の配備には、作戦の即応性を高める狙いもある。これまでは米国本土から長距離を飛行して出撃するケースが多かったが、欧州の基地を拠点とすることで移動時間が短縮される。これにより、出撃頻度の大幅な向上が見込まれ、長距離作戦の持続能力が強化される構造となっている。
トランプ大統領「終戦段階」を主張、イランへの圧迫続く
米政府は、現在実施中の軍事作戦に強い自信をのぞかせている。ドナルド・トランプ大統領は、今回の作戦を「米国の技術力の勝利」と評価。同時に、紛争は終結段階に近づいているとの認識を示した。米国は戦略爆撃機の展開を通じ、イランに対する軍事圧力を最大化させる構えだ。
米中央軍はこれまでに、ミサイル基地や軍事施設を含むイラン国内の重要目標数千か所を攻撃したと発表した。また、米国の同盟諸国も早期警戒機の派遣やミサイル防衛支援を通じ、軍事支援に加わっている。中東紛争は、多国籍による連合作戦の様相を強めながら推移している。
















コメント0