
イスラエルと共にイランへの軍事作戦を継続している米国のトランプ大統領が、イラン戦争について「我々が勝った」と述べ、事実上の勝利を既成事実化する発言を行った。
トランプ氏は11日(現地時間)、ケンタッキー州ヘブロンでの演説でイラン戦争の成果を説明し、「我々が勝った」と繰り返し強調。「開始から1時間で終わった」と語った。しかし、その後の演説では「早期に撤退したいわけではない。我々は任務を完了させなければならない」とし、「イランは事実上壊滅状態にある」と付け加えたとのことだ。こうした発言は、米国が勝利を既成事実化し、早期の出口戦略に繋げようとする意図の表れとの見方が出ている。
米国とイスラエルによる大規模空爆に対しイランが強く反撃したことで、中東全域が攻撃の射程圏に入った。イランによるホルムズ海峡封鎖を受け、国際原油価格は急騰。交戦国である米国の経済にも、高油価・高物価という深刻な影響が及んでいる。戦争長期化への懸念が高まる中、トランプ氏の「勝利」発言は、一方的に勝利を宣言する形での幕引きを狙ったものだとの分析も浮上している。
米・イスラエル・イランで異なる終戦認識
トランプ氏が「我々が勝った」と主張する一方で、「任務を完了させる必要がある」と述べるなど、現在の戦況に対する評価は一貫性を欠いている。同氏はこれに先立ち、9日の「CBSニュース」のインタビューで「戦争は予想よりはるかに速く進展し、ほぼ完了した」と表現。同日午後の記者会見でも「この脅威を一気に終結させる。初期計画よりはるかに前倒しで進んでいる」と語っていた。
しかし、早期終了を示唆した数時間後には「まだ十分ではない」とし、今週中の終戦についても否定した。こうした発言の変遷を受け、米国内ではトランプ政権が一貫したメッセージを発信できていないとの批判が出ている。実際、ヘグセス国防長官は10日、「今が開始段階なのか終盤なのかは断言できない」と述べ、レビット報道官も「降伏時期はトランプ大統領が判断する」として、具体的な終戦時期の明言を避けている。
「ニューヨーク・タイムズ」はトランプ氏の「重大な誤算」を指摘
ホルムズ海峡では船舶が相次いで攻撃を受け、タイ船籍の船舶で火災が発生するなど懸念が現実化している。こうした中、今回の軍事作戦はトランプ政権の誤算によって始まったとの指摘も相次いでいる。
「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」は10日、匿名の米政府関係者の証言を引用し、「イランがタンカー攻撃を示唆したことで、トランプ政権の判断ミスの深刻さが浮き彫りになった」と報じた。また、原油価格の急騰による米国内の燃料価格上昇を受け、政権が緩和策の検討に追われていると指摘。さらに「今回の事態は、紛争を体制存続への脅威と受け止めるイラン側の対応を、トランプ氏らが過小評価していたことを示している」と付け加えた。
同紙はまた、政権内には終戦に向けた明確な戦略の欠如を批判的にみる側近もいるものの、大統領に直接異論を唱えることを控えている現状についても伝えている。
















コメント0