
中国共産党系メディアの環球時報(GT)は先月31日、在韓米軍司令官のゼイビア・ブランソン氏の「韓国は中国を狙う短剣」との発言をめぐる論争について、アジアにおける覇権維持に関する米国のジレンマを露呈したとの論評を掲載した。
同紙によると、ブランソン氏が韓国を「アジアの心臓に突き刺さった短剣」に例えたのは、おそらく称賛の意図だったとみられるが、韓国世論や韓国大統領府の反応は異なったという。
大統領府はブランソン氏の発言を認識しており、魏聖洛国家安保室長をはじめ国防部や外交部など複数の省庁関係者が、公式ルートを通じて米国側に韓国の立場を伝えたとされると同紙は報じた。
また大統領府は協議内容について詳細は明らかにしていないものの、遺憾の意を表明し自制を促したとみられるとGTは解釈した。
在韓中国大使館はブランソン氏の発言について「敵対的で攻撃的かつ度を越えた発言だ」と批判し、地域諸国への尊重を求めた。
同紙は、この発言が深刻な外交的波紋を引き起こしている背景には、米国のアジア同盟管理の戦略的論理とアジア諸国の利益との間の対立の深まりがあると分析した。
韓国は米国の安全保障の傘に依存しているため公の場では慎重な姿勢を取ったものの、複数の省庁が反発したことは韓国側の不快感の強さを示していると指摘した。
特に韓国の不安は、米国の戦略的思考の中で韓国が複雑な利害関係を持つ主権国家ではなく、鋭利で目的を持った道具、すなわち短剣のように見なされている点に起因するとGTは論じた。
中国は韓国の最大の貿易相手国であり、最大の輸出市場であり、主要な輸入源でもある。
こうした状況の中で、米軍司令官が韓国を中国を狙う武器として公然と位置付けたことは、韓国の戦略的判断や中国との関係を十分に考慮していない行為だと主張した。
GTはまた、米国の「自由で開かれたインド太平洋戦略」にも問題があると指摘した。これは中国の影響力抑制を中心に据え、中国の産業・技術サプライチェーンからの切り離しを核心とするものだとしている。
このような米国の姿勢は、日本や韓国、マレーシアなどに対し、地域の安定よりも米国の覇権を優先する高コストな選択を強いるものだとした。
さらに、米国がアジア諸国に中国との対立を求めることは、地政学的安定のために各国の発展を犠牲にさせるものだとGTは主張した。
そのうえで、中国の経済力が引き続き成長し、アジア諸国が自国の戦略的判断を強める中、米国の戦略的要求と各国の受け入れ姿勢との間のギャップは今後さらに拡大するとの見方を示した。
同紙は、ブランソン氏の「短剣」という比喩は軽率だったと断じた。
さらに、米国が中国を標的とした戦略的同盟枠組みの構築はますます困難になっており、アジアにおける米国の覇権的地位を維持しようとする試みは一層無意味なものになると主張した。
ブランソン氏は先月22日に公開された米陸軍戦略大学のポッドキャストインタビューで、「中国東部沿岸から外を見れば、韓国はアジアの心臓部に突き刺さった短剣のような存在だ」と述べていた。
こうした発言をめぐる議論が続く中、ブランソン氏は先月30日、シンガポールのシャングリラ・ホテルで開かれた第23回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で、これに関連する追加発言を行った。
中国側の参加者が「韓国の役割を中国を狙う短剣と位置づけたのか。国防総省の承認を受けた立場なのか」とピート・ヘグセス米国防長官に質問したのに対し、ブランソン氏が応じた。
同氏は「プロイセンの軍事哲学者クレメンスは韓国を日本に向けた短剣として描写した。違いがあるとすれば、我々は視点を変える必要があるということだ」と述べ、「地域において他国が韓国における我々の能力をどのように見るかを考慮する必要がある」と語った。













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