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「金正恩死後、ジュエが後継者?」制度・党・軍、全てが否定する…北朝鮮後継論の”根本的な嘘”

望月博樹 アクセス  

出典:聯合ニュース
出典:聯合ニュース

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の娘とされるキム・ジュエ氏が公の場に頻繁に姿を見せていることを受け、後継論が取り沙汰されている。しかし、北朝鮮の内部事情に詳しい専門家の間では、現段階で後継者と断定する見方は妥当性を欠くとの指摘が強い。キム・ジュエ氏は10代の未成年であり、朝鮮労働党の規約上、未成年者が党員資格を得たり高位職に就いたりすることは困難であるとされる。過去に金正日総書記や金正恩総書記自身も、基層組織から経歴を積み上げてきた経緯があることが背景にある。

金正日時代においても、後継構図は一様ではなかった。当時、長男の金正哲(キム・ジョンチョル)氏が有力視された時期があり、平壌の党機関内にはその事業手法を学ぶべきだとする標語が掲げられたとされる。しかし、最終的に後継の座には至らなかった。東京ディズニーランドへの不法入国問題で失脚した金正男(キム・ジョンナム)氏が後に国外で死亡するなど、権力を巡る力学の複雑さが浮き彫りとなっている。

金正恩総書記は祖父の金日成主席の象徴性を意識した政治演出を展開してきた。家族を伴う公開行動もその一環とみられる。キム・ジュエ氏の同伴は父娘関係の側面に加え、いわゆる「白頭血統」の継続性を内外に示す意図を帯びている可能性がある。ただし、父権的な社会構造と厳格な党組織原則を踏まえれば、女性かつ未成年であるキム・ジュエ氏が直ちに権力を承継する現実性は限定的との見方が支配的だ。

北朝鮮内部では、幹部層の子弟が平壌の外貨獲得型レストランを利用するなど、一般住民とは隔絶した生活実態が伝えられている。金日成総合大学の学生が国家配給のパンを市場で売却する事例もあるとされ、階層間の格差が存在することを示唆している。こうした特権層の子弟間で流通する情報は、閉鎖的体制下における権力内部の動向を測る一つの手掛かりと位置づけられる。

仮に金正恩総書記が突発的事態に直面した場合、権力構造の安定性は重大な試練に直面する可能性がある。その際、最高人民会議が暫定的に機能を代行するとの見方がある。現在、崔竜海(チェ・リョンヘ)最高人民会議常任委員長はパルチザン系譜を背景とする実力者であり、中国やロシアとの関係を基盤に空白期の管理役となる可能性が指摘されている。党機構が機能不全に陥る極限状況では、パルチザン勢力の結集や外部勢力の関与が体制の帰趨を左右する要因となり得る。

金与正(キム・ヨジョン)氏も対韓・対米談話を主導するなど存在感を示しているが、具体的な職務の全容は明らかではない。権力継承の当事者として浮上するには、複数の条件が伴うとみられる。北朝鮮の後継問題は血統のみで決するものではなく、党組織の受容、軍部の支持、国際環境が複合的に作用する構造問題であるといえる。

総じて、キム・ジュエ氏の登場は指導体制の象徴性を強化する演出の側面が色濃いとされる。本格的な後継指名とみなすには制度上の制約が大きい。北朝鮮における権力継承の不透明性は、体制の安定性への懸念を内包し続けている。朝鮮半島情勢の先行きは、日本にとっても安全保障環境の重要な変数であり、冷静な分析と備えが求められている。

望月博樹
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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