
韓国南西部のレンガ工場で、移住労働者がビニールで縛られ、フォークリフトで吊り上げられるという衝撃的な人権侵害が明るみに出た。まるでレンガのように扱われたこの事件に対し、市民団体は「人間の尊厳を踏みにじる蛮行」だとして、加害者の厳正な処罰を求めている。
問題の映像は、全羅南道(チョルラナムド)羅州(ナジュ)市にあるレンガ工場で撮影されたものとされ、オンラインコミュニティに投稿された。映像には、安全帽をかぶった外国人労働者が、レンガと一緒にビニールでぐるぐる巻きにされ、フォークリフトで吊るされて移動させられる様子が映っていた。その周囲では同僚と思われる者たちが携帯で撮影しながら笑っており、現場はまるで「見世物」のようだった。
さらに、韓国人とみられる男が宙吊りの労働者に向かって「お前、悪いことしたのか?」「悪かったって言え」と言葉を浴びせる場面も収められており、暴力性と屈辱が入り混じった異常な状況が浮き彫りになっている。この被害者のスリランカ出身労働者は、日常的な嫌がらせに苦しみ、ついには労働団体に助けを求めたという。
事件を受け、全羅南道移住労働者人権ネットワークは「これは労働者を物のように扱う、反人権的な現実が凝縮された象徴的事件だ。最低限の人間の尊厳すら守られていない」と声明を出し、強く非難した。
この団体を含む30以上の市民団体は、労働環境の実態調査と制度改革を求めて、24日午前11時に羅州市庁前で記者会見を開く予定。また、警察に対しても告発状を提出し、事件の真相解明と関係者の処罰を正式に求める方針を明らかにしている。
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