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火星に「時を閉じ込めた地層」…NASA探査機が堆積層を鮮明に捉え、“惑星史を揺るがす証拠”となるか

竹内智子 アクセス  

数メートル厚の堆積層が重なる様子を捉える

科学メディアのライブサイエンスは現地時間24日、米航空宇宙局(NASA)の火星探査機(MRO)が、太陽系最大の峡谷の画像を公開したと報じた。

火星には、赤道を横断する全長4,000kmにも及ぶ巨大な「マリネリス峡谷(VallesMarineris)」が存在する。この峡谷は太陽系最大規模であり、地球最大として知られるグリーンランドの氷床下にある峡谷の5倍以上の大きさを誇る。グリーンランドの峡谷が約750kmであることを考えると、その圧倒的な大きさが際立つ。

最近、NASAの火星探査機に搭載された高解像度カメラが、太陽系最大の峡谷であるマリネリス峡谷内のカンドル谷(Candor Chasma)地域を撮影した。

引用:NASA、JPL-Caltech、アリゾナ大学
引用:NASA、JPL-Caltech、アリゾナ大学

最近公開された画像は5月24日に撮影され、マリネリス峡谷内最大級の峡谷の一つであるカンドル谷の東部を捉えたものだ。この画像によって、惑星地質学者たちの火星の古代環境に対する認識が変わる可能性がある。

米アリゾナ大学の月惑星研究所の研究チームは、高解像度カメラであるHiRISEを用いて、数メートル厚の堆積層が幾重にも重なっている様子を確認した。この堆積層には、浸食や湾曲、折れ曲がりなど、地殻変動による変形の痕跡が見られる。研究チームは、峡谷形成後にこのような堆積層が堆積したと説明している。

引用:NASA
引用:NASA

火星には、地球のように、地殻と上部マントルが複数に分かれたプレートが移動しながら地質現象を引き起こす「プレートテクトニクス」は存在しない。NASAによれば、火星の地殻は一枚の巨大なプレートのような状態であるという。

しかし、火星の地殻が冷却する過程で断層や亀裂が形成される。地球のグランドキャニオンが河川の浸食によって形成されたのとは異なり、カンドル谷を含むマリネリス峡谷は火山活動によって形成され、その後の土砂崩れや洪水、浸食作用によって現在の姿になったと推測されている。

欧州宇宙機関(ESA)は2021年、エクソマーズの火災探査機であるトレース・ガス・オービターを用いて、カンドル谷の地表下に水を発見したことを発表。この研究によれば、マリネリス峡谷の地表近くの物質のうち、最大40%が水である可能性があるという。

これは、地球上のアラスカやカナダ、グリーンランド、シベリアなどに見られる永久凍土層に類似している。永久凍土層では、持続的な低温により乾燥した土壌の下に氷が恒常的に存在することが知られている。

急峻な崖と険しい地形を持つカンドル谷は、火星探査機による探査が非常に難しい。しかし、ドイツ航空宇宙センター(DLR)は今後、マリネリス峡谷プロジェクトを始動させ、この険しい地形に自律走行ローバーやクローラー、無人航空機を投入し、この地域の探査を行う予定だ。

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