「プリンスグループ」台湾拠点の秘書、低額保釈金で「笑顔騒動」
台湾検察、主要幹部ら5人に勾留状を請求

台湾の検察当局が、カンボジアで悪名高い詐欺犯罪組織「プリンスグループ」の台湾拠点に対する強制捜査に踏み切った中、被疑者が笑顔を見せる映像が公開され、波紋を呼んでいる。
6日付の中央通信社(CNA)や自由時報などによると、カンボジアで詐欺や人身売買を行い、米国と英国の制裁を受けたプリンスグループが、マネーロンダリングやオンライン詐欺、賭博を目的に設立した台湾拠点に関連する関係者が4日に一斉に逮捕された。うち数名は保釈を許可されたという。
保釈が認められた9人の中には、プリンスグループの陳志(39)会長の側近である李天氏の秘書、劉春雨氏も含まれていた。劉氏が検察庁を出る際、歯を見せて笑いながら軽やかに歩き去る姿がカメラに映し出され、SNS上で瞬く間に拡散した。
反省の様子が全く見られない明るい表情に、ネット上では「多くの家庭を壊したのに、どうして笑えるのか」や「犯罪収益が45億台湾ドル(約220億円)に上るのに、保釈金がわずか15万台湾ドル(約70万円)とは」など、怒りの声が相次いだ。

台湾・台北地方検察庁は、国家安全保障関連犯罪を担当する法務部調査局や内政部警政署刑事警察局などと合同で、プリンスグループおよび陳志会長に対する本格捜査を開始した。
同グループが台湾で設立したペーパーカンパニーを通じて購入した高級住宅11棟や、台北101ビル15階・49階にオフィスを構える関連企業「天璽(ティエンシー)」など、12社に対して強制捜査が実施された。
捜査当局は4日、47チーム体制で関連施設を一斉に家宅捜索し、25人を逮捕した。このうち台湾拠点の幹部5人に対しては勾留が請求され、接見も禁止された。
また、捜査では高級車26台、銀行口座約60口座など、計45億2,766万台湾ドル(約220億円)相当の資産が押収されたという。被疑者らは制裁発表後にロールスロイスやフェラーリ、ランボルギーニなどの高級車の名義を移し、夜間に移動させようとしたが、捜査当局により事前に阻止された。
先月14日、米財務省はプリンスグループを「国際犯罪組織」と認定し、陳志会長をオンライン詐欺や資金洗浄などの容疑で起訴、計146件の制裁を科した。
英国政府も同グループおよび陳志会長、関連企業を制裁対象に指定し、ロンドンの約1,200万ポンド(約24億円)の邸宅や、約1億ポンド(約200億円)のオフィスビル、アパート17棟などの資産を凍結した。
韓国警察も関連捜査に着手
韓国警察も、プリンスグループの国内拠点および資金洗浄先とされるフイウォン・グループを含め、誘拐・失踪などに関する24件の事件を捜査している。
ソウル警察庁によると、これらのうち17件はすでに失踪・誘拐・監禁タスクフォース(TF)が捜査を進めており、さらに7件が新たに移管されたことで、計24件が捜査対象となった。
パク・ジョンボ警察庁長は3日の定例会見で、「プリンスグループに対して立件前調査(内査)を開始し、関連情報を分析している。フイウォン・グループについても同様に調査を行っている」と説明した。
また、警察は高額アルバイトや海外就職を名目に被害者を誘い出す犯罪への取り締まりも強化した。犯罪との関連が確認された求人広告131件の削除・遮断を要請し、関連投稿が多い29サイトに対しては自主的な監視強化を求める文書を送付した。
犯罪との関係が疑われるTelegramチャンネル2件についても立件前調査を開始している。
警察関係者は「プリンスグループの国内事業所はすでに閉鎖されており、賃貸契約書などの証拠資料をもとに捜査を進めている」と述べた。













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