
株式会社CYBO(東京・江東)とがん研究会有明病院(東京・江東)の研究チームが世界初となる人間から採取した細胞を3次元画像認識AIによる細胞診支援システムで、癌細胞を判定する臨床用システムを開発したと朝日新聞が報じた。専門医と同等の精度で子宮頸がんの診断補助が可能となり、実際の医療現場での適用レベルを証明したという。研究結果は19日、英科学誌『Nature』に発表された。
細胞診は細胞の形態などを基に癌細胞の有無を調査する検査だ。子宮頸がん検診のスクリーニングなどで広く使用され、国内で年間1,000万件規模で実施されている。病理医や産婦人科医、細胞検査士が顕微鏡による視覚情報を活用して高い精度で判定を行っている。
がん研究会有明病院では専門医2名と細胞検査士7名が顕微鏡で細胞の状態を調査している。しかし専門人材は慢性的に不足しており、重なった細胞や焦点のずれがある状況では慎重な判断が必要で業務負担が大きい。CYBOは医療従事者の負担を軽減し、客観的診断を行うためにAI細胞診の開発を推進してきた。
3次元画像化・AI分析技術の特徴
今回のシステムは巨大データを圧縮する「ホールスライド・エッジ・トモグラフィー」技術を適用した高速・高精度の3次元画像化方式だ。立体的な細胞集団を数十層でスキャンした後、AIが悪性度を分析する。がん研究会有明病院の専門医が細胞核の観察方法などをシステムに学習させ、細胞の悪性度分類基準を構築した。
子宮頸がんの約90%はヒトパピローマウイルス(HPV)感染による細胞の軽微な異常を経て10年以上かけて癌に進行する。AI細胞診はこの過程の細胞特徴を数値化し、1万〜100万個の子宮頸部細胞集団を正常、軽度異常、高度異常、癌細胞などに分類する。
このシステムは専門医レベルの精度で癌の見落としや過剰判定を減らし、診断の信頼性を高める。朝日新聞は「細胞集団の3次元分析により医療現場での使用可能性を確認した」と報じた。がん研究会有明病院の研究チームは患者に迅速な診断結果を提供し、治療への連携を強化することを目指している。
CYBOは子宮頸がん検診の精度管理やHPV陽性者のリスク層別化などで活用範囲を拡大する計画だ。追加の臨床評価と医療機器認証を進め、他の癌種の診断補助にも拡張する。細胞診のデジタル化により医療従事者の業務効率化と早期発見効果が期待される。














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