
人工知能AIを悪用し、料理の写真を改ざんして返金を要求する新たな詐欺が英国で拡大している。配達された料理が十分に調理されていない、あるいは品質が劣るように見せかけた画像を生成し、フードデリバリープラットフォームに提出する手口だ。
英紙タイムズは先月31日、一部の利用者がAIによる画像編集技術を使い、実際には問題のない料理を生焼けや焦げ付きがあるかのように加工し、返金や補償を求めるケースが増えていると報じた。
正常に調理されたピザやチキンを不十分に見せたり、溶け崩れたケーキや容器内にハエが入り込んだような画像を生成したりする例も確認されている。これらはいずれもAIによって作られた偽の証拠画像だという。

背景には、AIベースの画像編集技術が一般利用者にも容易に使えるようになった現状がある。数回の操作だけで色合いや質感を変えることが可能で、肉眼では真偽の判別が極めて難しい水準に達していると指摘されている。
英大手フードデリバリープラットフォームのデリバルーなどは、同一利用者による繰り返しの返金要求や、類似した画像パターンが確認される事例を把握していると明らかにした。

業界側は、AIによる画像改ざんを検知する技術の導入や、返金基準の見直し、不審なアカウントへの監視強化などの対策を進めている。ただ、画像生成技術の進化が速く、対応はいたちごっこになるとの懸念も根強い。
専門家は、AI技術の大衆化によって日常的な詐欺手法が高度化していると指摘し、消費者保護と同時に、誠実な飲食店やプラットフォームを守る制度設計が不可欠だと強調している。
タイムズは、こうした詐欺が拡大すれば、最終的なコスト負担が飲食店や善良な利用者に転嫁される恐れがあるとして、プラットフォームと利用者双方に警戒を呼びかけている。













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