
低迷が続く中国の映画館業界で、異色の返金制度が登場し注目を集めている。映画が気に入らなければ、上映開始から20分以内にチケット代の40%を返金する仕組みだ。
5日、「界面新聞」の報道によると、杭州市の西田城内にある映画館、時代連合影城は、鑑賞体験保証サービスを導入した。観客が上映開始から20分以内に満足できないと判断した場合、チケット代の40%を返金するという。
この制度は3月1日から4月30日までの期間限定で運用される。返金を受けるには上映開始から20分以内に現場で申請する必要があり、当日のチケットを提示すれば、実際の支払額の40%が返金される。
返金率が40%である理由について、映画館側は収益構造を説明している。興行収入の約60%は制作会社や配給会社に回り、映画館が自社で確保できる取り分は40%程度だという。つまり、映画館側がコントロールできる利益の範囲内で返金を行うという趣旨だ。
いわゆる鑑賞後悔権が初めて登場したわけではない。2024年2月には河南省の映画館が、上映開始から20分以内なら50%を返金する制度を実施して話題を集めた。ただ、当時は一度きりの試みに近いとの見方が多かった。
これまで中国の映画館は、手続きを簡素化するよう業界団体から勧告が出ていたにもかかわらず、上映後の返金には消極的だった。投資会社や予約プラットフォームも、費用負担や運営上の難しさを理由に慎重な姿勢を示してきた。
今回の措置は、冷え込んだ市場の空気と無関係ではない。2026年の春節(旧正月)連休の中国映画市場は、明確な減少傾向を示した。今年の春節期間の興行収入は57億5,000万元で、前年の80億1,600万元より約28%減少した。これは直近8年で最低の水準だ。
同期間の平均チケット価格は47.8元(約1,000円)で、6年ぶりの安値を記録した。特に地方都市ほど価格が低く、全体の売り上げ減少に影響したと分析されている。上映回数は435万回と過去最多だったが、観客数は1億2,000万人にとどまり、26.4%減少した。上映回数が増えた一方で観客が減るという、供給過剰の状態が浮き彫りになっている。
観客の足を再び映画館へ向けさせるための自助策とみられるが、一方で制度を悪用するケースが出かねないとの懸念も業界内では根強い。













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