
OpenAIが米国防総省と協力契約を結んだことが明らかになり、ChatGPTの削除運動が拡大している。紛争地でAI技術の活用事例が増える中、AIの軍事利用の範囲について国際的な合意と規制が必要だとの声が一段と高まっている。
Anthropic排除直後に米国防総省と契約したOpenAI
ChatGPTの削除運動は先月27日(現地時間)、トランプ政権がAI企業アンソロピック(Anthropic)を排除した直後、OpenAIが国防総省の機密ネットワークにAIモデルを提供する契約を結んだとの報道をきっかけに急速に拡大した。
アンソロピックはAIモデル「Claude(クロード)」を国防総省に提供していたが、大規模な国民監視や自律型殺傷兵器への使用を禁じる方針を掲げ、政府が求めた「すべての合法的利用」への同意を拒否した。これを受け、トランプ米大統領はすべての連邦機関に対し、アンソロピック技術の使用停止を指示。国防総省は同社を国家安全保障上の「サプライチェーンリスク企業」に指定した。
こうした状況下でOpenAIが国防総省と機密ネットワーク向けAIサービスの契約を結んだことで、倫理を巡る議論が広がった。これを受け、OpenAIは契約書に「AIシステムを米市民および居住者に対する意図的な国内監視に使用しない」との追加条項を盛り込むと発表した。
OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)もSNS上で、今回の契約プロセスが機会主義的に見えた可能性を認めた。一方で、殺傷兵器への利用を禁止する内容は明記しているとし、アンソロピックをリスク企業に指定すべきではないとの立場を示したとのことだ。

ボイコット運動と相次ぐ幹部の辞任
しかし、批判の声は収まる気配を見せていない。市場調査会社センサータワーによると、ChatGPTアプリの削除率はわずか1日で295%増加した。OpenAI本社前では抗議デモも行われ、参加者はAI兵器への反対を訴えるメッセージを掲げた。
社内からも反発が出ている。OpenAIのロボティクス部門責任者だったケイトリン・カリノウスキー氏は7日(現地時間)、自身のSNSで退社を発表。「司法の監督なしに国民を監視したり、人間の承認なしに殺傷判断を行う自律システムは、深刻に検討すべき問題だ」と指摘し、同社の契約は必要な安全装置が整わないまま発表されたと批判した。

兵器化するAI 法的拘束力のある規制求める声
AIはすでに軍事作戦の核心的ツールとなっている。ウクライナ紛争では米パランティア社のAIシステムが攻撃座標の算出に使用され、最近の米軍によるイラン空爆でも、AI軍事情報プラットフォーム「メイヴン・スマートシステム(Maven Smart System)」が投入されたと伝えられている。このシステムには複数のAIモデルが活用され、数百の攻撃目標の提案や優先順位の分析を担った。
AIの軍事利用が急速に進む中、専門家からは懸念の声が上がっている。AI開発者のシン・ミンギ氏は「高度に自動化された戦争の許容範囲について議論が進まないまま、現実が先行している」と指摘。AIによる判断の高速化が制御不能な対立を招き、民間人の被害を拡大させる恐れがあると警告した。
国際的な規制整備も急務だ。市民団体関係者は、国連レベルでの自律型殺傷兵器に関する議論が10年以上続いているものの、いまだに法的拘束力のある規制や定義の合意に至っていない現状を批判している。企業独自の倫理基準だけでなく、法律による明確な禁止・制限が必要だとの声が強まっており、今回のChatGPTボイコットを機に、AIの軍事利用に対する境界線をどこに引くべきかという議論を深める必要があるとしている。













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