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2025年07月09日水曜日
ホームニュース【ドローン無力化】「魚獲る網」で空からの殺人兵器を撃退!ローテクがハイテクを打ち負かす戦場の逆転劇

【ドローン無力化】「魚獲る網」で空からの殺人兵器を撃退!ローテクがハイテクを打ち負かす戦場の逆転劇

ロシア「殺人ドローン」を封じる妙策 捨てられた「これ」が効果てきめん

引用:イメージトゥデイ
引用:イメージトゥデイ

海で魚を捕るために使われていた廃漁網が、最前線で最先端の攻撃用ドローンの侵入を阻む妙策として脚光を浴びている。

7日(現地時間)の米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、ウクライナ軍は最近、東部戦線のドネツクとスームィ周辺を中心に、ロシア軍の小型ドローン攻撃を阻止するための「漁網回廊」を構築している。

主要道路の脇や砲兵陣地、検問所など軍事施設に支柱を立て、その上に漁網を張ってトンネル状の構造物を作り、ロシアの攻撃用ドローンから車両と兵力を守るのが目的だ。費用はほとんど掛からない。使用される漁網は、デンマークなど北欧諸国の漁師たちが現地の努力を支援するために寄付した使用済みのもので、スウェーデンの非営利団体「オペレーション・チェンジ」が今年だけで250トンの廃漁網を回収しウクライナへ供給した。プロペラで飛行する小型攻撃用ドローンが網目に絡まって墜落するという単純な仕組みながら、極めて低コストで一定の効果を上げている。

ウクライナ陸軍工兵隊のマクシム・クラウチュク中佐は「普通の漁網一枚でも敵のドローンを止めたり被害を減らせることが分かった」と述べ、こうした漁網が東部および南部の前線全体にわたって設置されていると明らかにした。

この「漁網防護線」は、ロシア軍が大きな成果を上げてきた有線操縦ドローンに対して特に効果的だという。ロシア軍は電波妨害に弱い無線操縦機の代わりに、従来の電子戦手段が通用しない光ケーブル式ドローンを盛んに運用してきた。この漁網防護線は、ロシア軍が運用する光ファイバードローンに対抗できる、事実上唯一の防御手段として注目されている。

実のところ、この方式を先に採用したのはウクライナではなくロシアだった。ロシア軍は2023年、無線式の小型クアッドコプターによる攻撃を防ぐため、一部の道路に漁網を設置し、国営タス通信も昨年、ロシア軍がバフムートなど一部占領地域に漁網を張った事実を報じた。

ウクライナ軍は漁網回廊の設置を前線全域へ拡大する計画だ。ニューヨーク・タイムズは「戦争においてロー・テク手段がハイ・テク兵器をいかに無力化するかを示す、単純で効果的な対策だ」と評し、塹壕や鉄条網が張り巡らされた道路上に漁網回廊まで加わり、前線の景観が変わりつつあると伝えている。

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