日印「蜜月」の背景に「中国けん制」…一部で温度差も

ナレンドラ・モディ・インド首相と高市早苗首相が、中国けん制を念頭に「蜜月」関係を演出したものの、一部では温度差も見えるとの分析が日本メディアから出ている。
半導体・重要鉱物協力に2兆円投資まで…経済安全保障協力を強化
3日の読売新聞、日本経済新聞などを総合すると、インドの首都ニューデリーを訪問した高市首相は前日、モディ首相と約1時間半会談した。
両首脳は特に、中国を念頭に経済的威圧に「深刻な懸念」を表明した共同声明を発表した。
声明には、高市首相が提案した進化した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を歓迎する内容も盛り込まれた。
また両国は、外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を年内に開催することで合意した。
海上自衛隊のもがみ型護衛艦に搭載されている通信アンテナ「UNICORN」をインドに輸出することについても、大枠で合意した。日本は2015年にインドと防衛装備品・技術移転協定を締結しており、同協定締結後、初の輸出となる。両国は海洋安全保障協力を深める方針だ。
両首脳は、各分野の成果文書も発表した。経済安全保障協力に関する共同宣言では、半導体、重要鉱物、情報通信技術、クリーンエネルギー、医薬品など5分野を優先分野に指定し、協力を促進する内容が明記された。
人工知能(AI)分野に関する声明には、AIを活用したサイバーセキュリティ協力の強化などに取り組む内容が盛り込まれた。
さらに経済産業省は同日、電気自動車などのバッテリーサプライチェーン強化に向けた協力覚書を、両国の担当閣僚間で締結したと発表した。
高市首相は会談後の共同記者会見で、インドは「戦略的方向性を共有する信頼できるパートナー」だと強調し、「両国関係を新たな高みに引き上げる」と述べた。
高市首相は、日本が主導する資源供給協議体「パワー・アジア」の下で、インドの石油備蓄強化に向けた政府間対話を新設すると明らかにした。日本はインドの国際エネルギー機関(IEA)加盟も支持する。
モディ首相は「両国の努力がインド太平洋地域全体の平和、安定、そして進歩への道を開く」と述べた。また、「共有する野心で世界の進歩を実現しよう」と語った。
首脳会談に合わせ、両国企業の間で129件の協力文書が締結された。
同日ニューデリーで両国企業と経済団体が参加した「日印経済フォーラム」には、モディ首相と高市首相のほか、日本企業150社以上、インド企業80社以上が参加した。日本側のインドに対する民間投資規模は2兆円に達した。
蜜月を演出も…対中姿勢には温度差
時事通信などによると、高市首相は会談後の共同記者会見で、モディ首相と「兄と妹としての関係を続けていく」と約束したと述べ、インドとの蜜月ぶりをアピールした。モディ首相も高市首相を「美しい妹」と呼んで応じた。
日中関係は、高市首相が昨年11月に台湾有事の際の介入可能性に言及して以降、急速に悪化している。これに反発した中国は、日本に対してデュアルユース品目の輸出管理などで圧力をかけている。
これを「経済的威圧」と位置づける日本は、民主主義などの基本的価値を共有するインドを自由主義陣営に引き込もうとしている。
外務省幹部の一人は、今回の首脳会談を通じて確認された両国の蜜月について「日本にはインドが必要で、インドには日本が必要だという相互補完的な協力」と評価した。協力を「一歩ずつ強化していくしかない」とも強調した。
ただし、両国協力が「思い通りに進むかは不透明だ」と、同通信は指摘した。
インドは伝統的に「全方位外交」を掲げている。日本、米国、オーストラリアとともに安全保障協議体「Quad」のメンバー国である一方、中国、ロシアとともに新興国グループ「BRICS」のメンバー国でもある。
インドは中国と一定の関係を維持し、ロシアとも軍事分野などで友好関係を保っている。
モディ首相は記者会見で「自由で、繁栄し、ルールに基づくインド太平洋が最優先目標だ」と述べ、高市首相の「自由で開かれたインド太平洋」構想に前向きな立場を示したが、中国を名指しすることはなかった。対中姿勢で温度差を見せたと、同通信は指摘した。
さらに同通信は、両国関係の深化が「順調に進むとは限らない」と伝えた。













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