ルビオ米国務長官、60カ国超を「極左テロ」会議に招待…米国内でも懸念の声

マルコ・ルビオ米国務長官がドナルド・トランプ米政権が深刻な脅威と位置付ける「国境を越えた極左テロ」への対応策を協議するため、60カ国以上の閣僚級当局者を招待したことが分かった。
米紙ワシントン・ポスト(WP)が9日(現地時間)に入手した文書によると、米国務省は16日にワシントンで「政治的テロリズムの再拡大」をテーマとした閣僚級会合を開催する予定だという。
招待状では会合の目的について「極左テロリストが政治的目的を達成するため、組織的かつ致命的な暴力をますます用いるようになっている」と説明し、情報共有や法執行機関同士の連携強化を主要議題に掲げている。
一方で、米政府内外からは、今回の会合は実質的に極左系活動家を対象とした対テロ政策の拡大を狙ったものだとの批判も出ている。
現職および元米政府当局者3人はWPに対し、米政権のテロ対策責任者であるセバスチャン・ゴルカ氏が極左活動家による緩やかな連合体であるアンティファを外国テロ組織に指定する案について、関係者と協議したと明らかにした。
米テロ対策当局者は「外国テロ組織に指定されれば、監視など特定の捜査手法を活用できるようになる」と説明した。
アンティファは反ファシストの略称で、明確な指導部や組織体系を持たない分散型の運動だ。参加者はアナキズムから共産主義まで様々な左派思想を共有しているとされる。
米国務省のトミー・ピゴット報道官は「今回の会合は強固な国際的連携と新たな連携を通じて再び台頭している、古くからの脅威に対応するために開催するものだ」と説明した。
また「過去にこうした脅威に十分対応できなかった」とした上で「各国による関与やテロ組織指定、安全保障支援プログラムが、国内外での対応を後押しする効果をもたらすだろう」と述べた。
しかし、一部の米政府関係者は対テロ権限が政治目的で利用される可能性を懸念している。
ある関係者は「こうした措置は今後、民主党政権が保守派を標的に同様の権限を行使する前例になり得る」と指摘し、2028年大統領選の有力候補とされるカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事の名前を挙げた。
ホワイトハウスはこうした見方を否定した。ホワイトハウス当局者は「そのような見方はホワイトハウスの公式な考えを反映したものではない」とし、むしろ民主党側が国家安全保障上の手段を政治的な反対勢力への攻撃に利用してきたと主張した。
トランプ政権は昨年公表した対テロ戦略で「米国の対テロ能力が党派的な目的のために利用されることは認めない」と明記し「単に政治的な意見が異なるという理由で米国民を標的にすることはない」としている。
一方、ホワイトハウスのスティーブン・ミラー次席補佐官ら政権内の強硬派は、アンティファへの厳しい対応を求めてきた。ミラー氏は昨年の円卓会議でアンティファを外国テロ組織に指定する案への支持を表明している。
ただし、専門家はアンティファを外国テロ組織に指定することは法的に容易ではないと指摘する。
米国の法律では、外国テロ組織に指定する対象は海外を拠点とする組織でなければならない。米国務省で制裁対象の指定業務を担当していたジェイソン・ブラザキス氏は「国内で大きな影響力を持つ団体を外国テロ組織に指定することはできない」と説明した。
テロ対策の専門家からは、トランプ政権が極左による暴力の脅威を過度に強調しているとの批判も出ている。
スーファン・センターのコリン・P・クラーク研究員は「これは情報の政治利用だ」とした上で「テロ対策を党派的な政治ゲームに利用し、全体の脅威の極一部だけを見ている」と指摘した。
外交関係者の間でも今回の会合の目的に疑問の声が上がっている。一部の欧州当局者は、自国ではアンティファは重大な安全保障上の脅威とは認識されておらず、招待の意図を理解し難いと語った。
ある欧州外交官は「私たちの国にアンティファは存在しない。なぜこの会合に出席しなければならないのか、その理由が見当たらない」と述べた。
専門家によると、欧州各国は実際には極左よりも極右による暴力的過激主義をより深刻な脅威とみなしているという。
トランプ第1次政権とバイデン前政権の双方で勤務した元米政府高官も「欧州諸国は左翼テロよりも右翼テロに対してはるかに強い懸念を示していた」と語った。
外交問題評議会(CFR)のブルース・ホフマン上級研究員も「脅威を特定する際には政治的な偏りを排除し客観的であるべきだ」と強調した。
米国内でも一部の専門家は政治的立場ではなく、暴力行為そのものを基準にテロの脅威を評価すべきだと指摘している。クラーク研究員は「優先順位を付けるのであれば、左翼テロリストが最優先の3つに入らないだろう」と述べた。














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