
中学生が通行中の80代女性を無差別に襲って殺害する「通り魔殺人事件」が発生し、地域社会に大きな衝撃が走っている。
加害少年は警察の取り調べに対し「少年院に入れば家から出られる。刃物で人を殺せば確実だと思った」と供述したことが伝えられた。
13日、読売新聞などによると、千葉県千葉市若葉区の路上で80代女性が刺殺された事件に関連して、同地域に住む中学3年生の男子生徒A被告(15)が前日警察に逮捕されたという。
A少年は、11日午後5時5分頃、若葉区の路上で、近隣に住む高橋八生さん(84)を刃物で刺して殺害した容疑が持たれている。
A少年と高橋さんの間に面識はなかったと伝えられており、A少年は「(家族に対する)ストレスが限界だった。複雑な家庭環境から逃げ出したかった。誰でもいいから殺したいと思った」と述べ、容疑を認めているという。
高橋さんの死因は外傷性ショックと判明。警察はA少年の部屋を家宅捜索し、犯行に使用されたとみられる刃物を押収した。強い殺意があったとみて捜査を進めているという。
A少年の父親は複数のメディアを通じて「亡くなられた方に心からお詫び申し上げる」とし「事件当日の夜、息子には特に異変は見られなかった」と語った。
父親によると、A少年は中学1年生の後半から問題行動を起こすようになり、その後も家出などの非行を繰り返していたという。
また、父親は読売新聞に対し「息子は祖父母、父、兄2人を含む6人家族で暮らしていた。中学入学頃から口数が減り、干渉をひどく嫌がるようになった」と明かした。
A少年は家族の依頼により、非行歴のある少年を対象に警察が定期的にカウンセリング・指導を行うプログラムに登録され、継続的な支援を受けていた。事件の翌日にも非行防止の教育を受ける予定だったという。
一方、都市部で発生した今回の「通り魔殺人事件」に、地域住民は大きな衝撃を受けていると伝えられた。事件現場の近くに住む、小学生の子どもを持つ30代の母親は、NHKの取材に対し「子どもたちが怖がっていた。学校から『欠席扱いにはしない』という連絡がきたので、今日は登校を控えさせた」と、懸念を示したことが報じられた。