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2025年05月16日金曜日
ホームニュース米中摩擦の緩和で「金」人気が後退、専門家による長期的予測は?

米中摩擦の緩和で「金」人気が後退、専門家による長期的予測は?

stack of shiny gold bars, precious metal as an investment concept, 3d illustration

金先物は1オンス約46万円前後に下落

米中貿易和解で安全資産需要後退 約5週間ぶり安値圏

米中両国が貿易協議で合意し、関税の引き下げに合意したことを受け、これまで安全資産とされる金への投資需要が後退し、金価格が下落している。

14日(現地時間)米経済専門メディア「マーケットウォッチ」によると、金先物価格は前日比で約2%安となる1オンス3,181ドル(約46万3,042円)前後で推移している。これは先月10日に記録した3,177.5ドル/約46万2,311円)以来、約5週間ぶりの安値水準で、金価格が1オンス3,200ドル(約46万5,584円)を割り込んだのも先月11日以来初めてとされる。

年初時点では1オンス2,660ドル(約38万7,017円)前後だった金価格は、トランプ政権の関税政策が現実味を帯びる中で上昇を続け、今月初めには3,400ドル(約49万4,683円)を超える場面もあった。関税による世界貿易の不安から安全資産需要が高まったためもあり、特に先月の相互関税発表以降、米国債やドルといった米資産に対する売り圧力が強まり、国籍を問わない安全資産である金への投資需要が加速した。

最近の金価格下落の背景には、米中間の貿易摩擦の緩和がある。トランプ大統領が中関係の改善に前向きな姿勢を示した後、両国は12日、今後90日間にわたって互いに115%ポイントの関税引き下げに合意した。これを受けて株式などリスク資産への選好が回復した。

独立系金属トレーダーのタイ・ウォン氏は「米中関税の急激な引き下げが市場に安心感をもたらし、金価格の技術的調整を引き起こした」と分析している。

一方で、専門家らは依然として経済の不確実性が高い状況下、長期的には金需要が持続する可能性があるとみている。シティー・インデックスのマーケットアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「長期的なトレンドは依然として強気だが、下落傾向は数日続く可能性がある」とし、「今回の下落によって、金価格は3,000ドル(約43万6,604円)まで下がる可能性がある」と予測している。

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