
ファーウェイ(華為)が最近発表したフォルダブルのノートPC「Huawei MateBook Fold Ultimate」を中国深圳市にあるファーウェイのフラッグシップストアで実際に触れる機会を得た。折りたたむと13インチのノートPC、開くと18インチのタブレットとして使用できることがこの製品の最大の特徴だ。

ノートPCのように折りたたんだ状態での厚さは14.9mm、開いた状態では7.3mmで、重量は1.16kgだ。実際に見ると、18インチの大画面製品がこれほど薄くて軽量であることに驚かされた。水滴型ヒンジは非常に薄く、しわも見られなかったが、発売どころか公開されてから間もない製品であることを考慮する必要がある。ノートPCとして使用する際は、デバイス背面にあるキックスタンドで画面が固定できる。

デュアルレイヤーOLED LTPOパネルは3296×2472の解像度、最大1600ニットの輝度をサポートし、明るく鮮明な画面を提供した。アスペクト比は折りたたんだ状態で3:2、開いた状態で4:3となっており、画面分割や方向転換も可能だ。実際の画面切り替え時には、全くラグがなくスムーズに動作した。

注目を集めていたのは仮想キーボード機能だ。レノボもフォルダブルのノートPC「ThinkPad X1 Fold」を発表しているが、このような機能を提供するのはファーウェイが初めてだ。画面を開いた状態で下部に両手の指を4本ずつ置くと、従来の画面が消え、仮想キーボードが起動した。様々なノートPCを使ってきたが、このような体験は初めてで斬新だった。キーボードにはMSのCopilotキーのような独自のAIキーも搭載されていた。

ただし、キータッチには若干問題があった。液晶画面上でタイピングする感覚があり、誤入力が頻繁に発生した。ファーウェイもこの点を認識しているようで、5mmの薄型ワイヤレスキーボードを開発した。マグネット式で着脱可能な設計で、重量もわずか290g。本体と合わせても総重量は1.5kg未満で、一般的な15インチのノートPCよりも軽量だ。このワイヤレスキーボードを装着してタイピングしてみると、仮想キーボードよりもはるかに使い慣れた感覚で、誤入力も発生しなかった。

このように薄型で軽量な製品を実現するためには、バッテリー仕様で妥協せざるを得なかったはずだ。バッテリー容量は74.69Whで、18インチの画面を駆動するにはやや小さめだ。そのため、バッテリーの消耗が早く、非常に薄い設計のため発熱もある程度避けられないと予想されるが、これらを即座に確認することはできなかった。

ファーウェイが最近押している自社製の「HarmonyOS」を採用したことも本製品の特徴だ。HarmonyOSは全体的にクリーンで動作もスムーズだったが、アプリの互換性に課題があると予想される。また、ファーウェイは仕様表でCPUを公開していないが、5nmプロセスベースのファーウェイ製プロセッサ「Kirin X90」を搭載している。このプロセッサはファーウェイのモバイルプロセッサ「Kirin 9010」と同等の性能と予想され、これは3年前に登場したフラッグシップ級プロセッサであるQualcommの「Snapdragon 8 Gen 1」と同等レベルだ。

何より「Huawei MateBook Fold Ultimate」は、現時点で購入するには高価すぎる。32GB+1TBモデルが2万3,999元(約47万7,940円)、32GB+2TBモデルが2万6,999元(約53万7,685円)だ。
それでも、この製品はノートPC業界に革新をもたらす製品と言える。単なるコンセプト製品の発表と、実際に量産して発売することは全く異なるからだ。ファーウェイも「愛国消費」に基づく大量販売を期待するというより、自社の技術力を誇示するために投入した製品と見られる。実際、サムスン電子とアップルも来年にはフォルダブルのノートPCを発売するという噂があり、ファーウェイが関連市場をリードできるかに注目が集まっている。
