2012年にGoogle Earthで発見され話題となった「巨大な唇」のような地形。その形成過程がついに明らかになった。
米科学メディア「ライブ・サイエンス」は、現地時間の3日、2012年に撮影されたスーダン西部ダルフール・ガルブにある唇の形をした丘の地形写真を紹介した。

長さ約900メートル、最も広い部分の幅が約350メートルに及ぶこの丘は、スーダン西部の西ダルフール州に位置している。この地形は、農地や樹木と見られる黒い点々に囲まれており、2012年の写真では周囲の土地が干ばつによって乾燥し、丘の斜面がピンク色を帯びていて、まさに唇のような姿だ。
しかし、最近撮影された写真では、丘とその周辺がすっかり緑に覆われ、より多くの植生に囲まれていることが分かる。これにより、かつて見られたピンク色の斜面は姿を消している。

この丘には正式な名称はないものの、Googleマップ上では「陸に囲まれた唇(Landlocked Lips)キャンプ場」として表示されている。
アメリカ・オレゴン大学の地形学者であり、地形力学の専門家であるジョシュ・ローリング氏は、「この地形の中央には、細長く露出した岩石の塊が見える」と述べ、「尾根の中央を貫く岩脈(dike)や、周囲の岩よりも侵食に強い硬い岩石がゆっくりと侵食されることで浮き出しているのだろう」と推測している。
ヨーロッパ地球科学連合(European Geosciences Union)によると、岩脈とは、水平に広がる地層を垂直に貫くように形成される地質構造だ。地下深くでマグマが地殻の割れ目を通って上昇し、固まることで形成される板状の岩石で、火山活動やプレート運動によって最も一般的に生じるが、堆積作用によって形成されることもある。ただし、この丘の中心にある構造がどのタイプの岩脈に属するかは、現段階では特定されていない。
ローリング氏はさらに、「もしこの仮説が正しければ、侵食に弱い周辺の岩が両側に傾斜した地形を形作り、中央の硬い岩石ユニットの形状と広がりが地形のスケールを決定することになる」と説明した。ただし彼は、この岩石構造について詳細な調査をまだ行っておらず、現段階ではあくまで推測にすぎないとも付け加えている。
このような地質構造は、ニューメキシコの砂漠地帯やカナダ・ユーコンにあるマッケンジー岩脈群でも見ることができると、報道は伝えている。