
米国のドナルド・トランプ大統領は2日、2期目政権の代表的な「忠誠派」とされる米連邦住宅金融庁(FHFA)のビル・パルト局長(38)を、国家情報長官(DNI)代行に任命した。DNIは、CIA(中央情報局)、FBI(連邦捜査局)、NSA(国家安全保障局)など、米国の18情報機関を統括・調整する役職で、「米情報共同体の司令塔」と呼ばれる。しかし、パルト氏は情報・安全保障分野の経験がまったくない人物とされ、共和党内からも批判の声が上がっている。
トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「パルト氏は米国で最も機微な問題を扱ってきた豊富な経験を持ち、市場の安全性と健全性に責任を負ってきた」と任命理由を説明した。今回の人事は、国家情報長官(DNI)だったトゥルシー・ギャバード氏が先月、夫の看病を理由に辞任したことを受けた措置となった。
DNIは2001年の9・11同時多発テロを巡り、情報機関同士の情報共有の失敗が問題視されたことを受け、2004年に創設された。長官は、大統領に毎日報告される最高機密文書「大統領日報」の作成を統括するため、高度な専門性が求められる。一方で、パルト氏は政治・安全保障・情報分野での経歴が事実上ないと評価される。
ノースウェスタン大学で放送ジャーナリズムを専攻したパルト氏は、大手住宅建設会社パルト・グループ創業者の孫で、プライベートエクイティ業界で活動してきた。生活に困窮する人々に現金を寄付する活動を通じて、SNS上で数百万人のフォロワーを集めた有名インフルエンサーとしても知られる。こうした経歴から、共和党内でも懸念が広がっている。米上院情報特別委員会のスーザン・コリンズ共和党上院議員はこの日、「情報分野の経験があるのかどうかを含め、彼については何も知らない」と述べた。
パルト氏は、トランプ大統領の政敵への攻撃にも積極的に関わってきた。米連邦準備制度理事会(FRB)のリサ・クック理事、ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官、民主党のアダム・シフ上院議員らを相手に、住宅ローン詐欺疑惑の調査を進めた。このため、トランプ大統領が情報機関を統括する能力ではなく、個人的な忠誠心を基準に人事を行ったのではないかとの批判も出ている。
















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