
イスラエルは、イランとの交戦3日目となる15日(現地時間)、過去最長距離となる空襲を敢行した。この日、イスラエル国防軍(IDF)は「空軍がイスラエルから約2,300km離れたイラン北東部マシュハド空港の空中給油機を爆撃した」と発表し、「これは作戦開始以来、最も遠距離での空襲」だと主張した。実際、SNSのXなどに投稿された写真では、遠方に旅客機のような機体の周囲から黒煙と炎が立ち上る様子が確認できる。

今回のイスラエルの空襲が注目される理由は、最長距離攻撃であることに加え、イランの貴重な資産である空中給油機が実際に破壊された可能性にある。イランの戦闘可能な空軍機は約265機と推定されるが、その大半が老朽化している。イスラエルを直接攻撃するには空中給油機の支援が不可欠だ。しかし、西側諸国の推定によると、イランが保有する空中給油機は5機未満で、今回破壊されたものが唯一だという見方もある。

報道によると、この空中給油機は50年前のボーイングKC-707またはKC-747型機で、驚くべきことに、かつて米国の航空会社パンアメリカン航空が旅客機として使用していたものを改造したという。米軍事専門メディア「WarZone」は、747型空中給油機は現在世界のどこにも存在せず、イランが唯一1機を運用していると指摘した。専門家らは、イランの空中給油機の状態が悪く、ここ数年間作戦に投入されていなかったため、今回のイスラエル軍の空襲はより象徴的な意味合いが強いと分析している。
一方、複数の空中給油機を保有するイスラエルは、最新鋭のステルス戦闘機F-35などを駆使し、イラン上空をほぼ自国領空のように飛行している。AP通信は「イスラエル空軍がイラン上空で自由に作戦を展開し、イラン軍の最高司令官や民間人を殺害している」と伝え、「イランはこれに対する報復としてミサイル攻撃を行っている」と報じた。