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2025年06月28日土曜日
ホームニュース【露制裁延長】“骨抜き合意”EU首脳会議の裏側でハンガリーが土壇場翻意、スロバキアは「補償金払え!」と強硬要求

【露制裁延長】“骨抜き合意”EU首脳会議の裏側でハンガリーが土壇場翻意、スロバキアは「補償金払え!」と強硬要求

引用:BBC
引用:BBC

欧州連合(EU)はロシア制裁を来年初めまで延長することで合意した。ロイター通信によると、26日(現地時間)ブリュッセルで開かれたEU首脳会議で、27カ国は全会一致で既存の対ロシア制裁を六カ月更新することを決定した。

EU制裁は半年ごとに更新投票が必要で、全会一致が条件となる。今回の会議ではハンガリーが延長に反対し交渉は難航した。ハンガリーはこれまでも拒否権を行使した末に土壇場で撤回する行動を繰り返してきた。

EUは追加制裁も模索しているが進展はない。新たな制裁案はスロバキアの反対で採択されず、今回は現行措置の延長にとどまった。

EUは2027年末までにロシア産液化天然ガス(LNG)輸入を段階的に廃止する方針だが、スロバキアはエネルギー高で産業競争力が落ちるとして反対した。ロシアからの供給が途絶え価格が急騰した場合、EUに補償を求める構えも示した。

ハンガリーはウクライナのEU加盟にも消極的だ。ペーテル・シーヤールトー外相は「ハンガリー系少数民族の権利が回復されるまで加盟は一歩も進まない」と述べ、ウクライナ政府が同系住民の言語・教育の権利を制限していると批判した。

前日ハーグで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でもウクライナ加盟への具体的言及は避けられ、ロシアの侵攻についても「欧州と大西洋の安全保障に対する長期的脅威」とするにとどまった。

ドナルド・トランプ米大統領も追加制裁に及び腰だ。ゼレンスキー大統領はハーグでトランプ氏と会談したものの、新たな支援や圧力の約束は得られなかった。トランプ氏は「プーチン大統領は戦争から抜け出したがっている」と述べ、制裁には巨額のコストが伴うと強調した。

NATOは国防費目標をGDP比5%へ引き上げるなどトランプ氏に配慮した一方、ロシアの安全保障上の脅威に関する実質的議論を深められなかったとの批判も出ている。ロイターは「米欧の対ロシア認識のずれが明確になり、NATOは衝突回避を優先した結果、代償を払った」と分析した。

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