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【崩れるEV帝国】補助金切られ、消費者にも見捨てられた…ドイツで新車登録が58%激減、マスクCEOに黄信号

梶原圭介 アクセス  

引用:AP通信
引用:BBC

米電気自動車大手「テスラ」が、補助金削減や米トランプ政権との軋轢に加え、消費者離れにも直面し、二重苦に陥っている。特に政府補助金への依存度が高かったテスラは、イーロン・マスクCEOの政治的言動により一層不安定な立場に置かれている。

17日(現地時間)、英スカイ・ニュースはトランプ政権の新予算案に言及し、「テスラが数十億ドルの政府補助金を失う可能性がある」と報じた。米国のドナルド・トランプ大統領は4日、「大きくて美しい1つの法案(One Big Beautiful Bill Act・OBBBA)」と呼ばれる2025年度予算調整措置法案に署名した。

同法案には、米国の企業別平均燃費(CAFE)基準違反時の罰金を「0ドル」に引き下げる内容が含まれている。CAFEは自動車メーカーに環境保護の観点から一定の平均燃費達成を求めており、基準未達のメーカーは罰金支払いか炭素排出権の義務購入が必要だった。

これまでテスラは、排出ゼロの電気自動車を製造し、余剰の炭素排出権を内燃機関車メーカーに販売することで巨額の収入を得ていた。トランプ政権の今回の措置は、テスラの収入の大半を失わせる致命的な打撃になると予想される。

さらにOBBBAには、バイデン前政権が約束した電気自動車の新車・中古車購入補助金を早期に終了する内容も盛り込まれた。スカイ・ニュースは、政府補助金がテスラの急成長―20年足らずで新興メーカーから世界最大の電気自動車メーカーへ―に決定的な役割を果たしたと強調した。

引用:Sky News(スカイ・ニュース)
引用:Sky News(スカイ・ニュース)

「テスラの年間純利益を占める炭素排出権の販売額の割合」

-炭素排出権の販売額: 38.6%

-2024年基準

年初まで親密だったトランプ大統領とマスクCEOは、OBBBAの推進を機に決定的に対立した。米政府の予算削減を主張していたマスクCEOは、OBBBAに含まれる減税や支出拡大を公然と非難し、新政党の設立を宣言した。これに対しトランプ大統領は「マスクCEOは補助金なしでは店を畳んで南アフリカに帰るしかない」と公然と反感を示した。

スカイ・ニュースは「テスラの今年第1・第4四半期の実績を見ると、テスラは炭素排出権で5億9,500万ドル(約884億7,057万円)を稼いでおり、これは純利益4億9,900万ドル(約741億9,633万円)を上回る。補助金がなければテスラは赤字経営だったはずだ」と指摘した。

また、スカイ・ニュースはテスラが米政府だけでなく、消費者からも様々な理由で支持を失っていると分析した。スカイ・ニュースは「過去のマスクCEOのトランプ大統領支持による消費者のボイコットで(米国外の)他市場でも売上が減少した」と説明した。報道によれば、テスラの2025年1〜4月の売上は前年同期比でドイツで58%、フランスで44%、オーストラリアで62%減少したという。

引用:Sky News(スカイ・ニュース)
引用:Sky News(スカイ・ニュース)

「国別1〜4月テスラ新車登録台数の推移」

-ドイツ: 2024年 1万6,601台/ 2025年 7,030台

-フランス: 2024年 1万3,491台/ 2025年 7,564台

-オーストラリア: 2024年 1万4,866台/ 2025年 5,660台

16日、米経済誌フォーチュンは、テスラの販売不振が新車市場に限らないと指摘した。米中古車取引プラットフォーム、アイシーカーズの主席アナリスト、カール・ブラウアー氏は「電気自動車は新車・中古車市場で重要な役割を果たしている」と強調しつつ、「しかし、今後その役割は過去に各国政府や電気自動車支持者が喧伝していたほどには達しないだろう」と予測した。ブラウアー氏は「電気自動車の需要は市場シェアから価格設定まであらゆる面で既にピークを過ぎており、今後数年で減少する可能性が高い」と付け加えた。

実際、フォーチュンによれば、先月テスラの「モデルS」価格は前年同期比15.8%下落したという。同期間に「モデルX」は15.5%、「モデルY」は13.6%下落しており、これらの価格下落は中古電気自動車購入インセンティブの終了時期とほぼ一致している。

これについてスカイ・ニュースは「一部の投資家は、市場競争の激化、政府補助金の撤回、トランプ大統領と潜在顧客の敵対感などが相まって、テスラの最近の業績に懸念を表明している」と伝えた。

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