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「空飛ぶホテル」A380の運航に各国航空会社が悲鳴 頻発する故障と巨額の補償で“世界最大の旅客機”の実力発揮できず

織田昌大 アクセス  

「空飛ぶホテル」とも呼ばれる超大型旅客機A380の運航において、各国の航空会社が頭を悩ませている。一度に多くの乗客を輸送できる利点はあるが、機体の老朽化によって故障が増え、大型機であるがゆえに遅延が発生した際の補償も巨額になりがちだ。

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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『ブルームバーグ通信』によれば、今月14日、カンタス航空のA380がシンガポールからシドニーへ出発予定だったが、技術的問題で数日間遅延したという。同機は5月7日にもシドニー〜ロンドン線を運航中に燃料ポンプの不具合でシンガポールに足止めされていた。ブリティッシュ・エアウェイズのA380も最近、フィリピン・マニラに100日以上も滞在したままで、6月になってようやくロンドン・ヒースロー空港へ戻ったものの、その後の30日間で飛行したのはわずか7日だけだった。具体的な原因は公表されていないが、機体トラブルの可能性が高いとみられている。

A380は2階建て構造でエンジン4基を搭載し、部品数はおよそ400万点にのぼる複雑な構造を持つ。これにより整備コストは他の機種よりも高く、もし機械的な問題で運航に支障が出た場合、搭乗人数の多さから航空会社の補償負担も膨大になる。加えて機体の老朽化に伴い安全基準も厳しくなっており、2020年1月以降、欧州連合航空安全庁(EASA)が発出したA380関連の耐空性改善通報は95件に達している。これは同時期のボーイング製大型機の2倍に相当する数だ。

EASAは「A380は他の航空機と比べて整備が難しい複合機であり、安全確保のために耐空性改善通報を発表することは当然」と強調している。A380はフランスのエアバス社が開発した世界最大の旅客機で、2007年から商業運航を開始。搭乗効率は高いが、燃費が悪く、満席にできなければ損失が大きいため、パンデミック以降は多くの航空会社が退役を進めてきた。だがA380に代わる大型機の供給が追いつかず、各社は引き続きこの機体を飛ばさざるを得ない状況にある。

実際、ボーイング777XやA350といった後継機の納入が遅れているため、ブリティッシュ・エアウェイズはA380の客室アップグレードを計画し、エミレーツ航空も今後10年間にわたり運航継続を予定している。かつて同社のティム・クラーク社長はA380を「他の機体よりも乗客を一気に吸い込む巨大な掃除機」と表現したことがある。ブルームバーグ通信は「A380はパンデミック後の旅行需要回復により予想外の再活躍を見せたが、老朽化が進む中でその運航維持には高額なコストが伴い、航空会社にとっては悩みの種となりつつある」と伝えている。

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