
ウクライナの防諜・治安機関である保安庁(SBU)の長官を務めるヴァシル・マリュク氏が辞任したと、AP通信などが報じた。
マリュク氏は現地時間1月5日、SBUのサイトで辞意を表明した。これを受け、ボロディミル・ゼレンスキー大統領は、SBU特殊作戦部隊「アルファ」の元部隊長であるエウヘン・フマラ氏を長官代行に任命した。
SBUは戦争勃発後、ロシア側を標的とした作戦で成果を重ねてきた。2022年のクリミア橋爆破作戦や、ロシア本土の空軍基地を同時多発的にドローンで攻撃し、軍用機数十機を破壊したとされる「クモの巣作戦」などが代表例だ。
ゼレンスキー大統領はSNSでマリュク氏と面会し、これまでの働きに謝意を示す投稿を行い、握手する写真も公開した。一方で、複数のメディアは、今回の辞任が大統領側の圧力を受けたものだとの見方を伝えている。
ウクライナの一部メディアは、マリュク氏が対ロ作戦で大統領の信任を得たものの、国内政界を揺るがす汚職疑惑の捜査をめぐり、反汚職機関にSBUの資源を割くことに難色を示して大統領と対立した可能性があると報じた。SBUはその後、2025年7月に国家汚職対策局(NABU)を捜索したとされる。
今回の安保機関トップ交代は、1月6日にフランス・パリで、ウクライナの戦後の安全の保証を議論する「有志連合」首脳会議を控える中で行われた。
ゼレンスキー大統領は、戦争勃発から4年を迎えるのを前に、指導部の改編を続けている。報道によれば、実力者とされるアンドリー・イェルマーク氏の退任後に空席となっていた大統領府長官には、キリロ・ブダノウ国防省情報総局長を指名し、後任の情報総局長にはオレフ・イワシチェンコ海外情報局長を充てたという。
AP通信は、ゼレンスキー大統領がドナルド・トランプ米政権主導の和平協議の流れを維持しつつ、協議が決裂した場合に備えて国防力の強化にも注力していると伝えた。
















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